52話 月宮リンの"大切な人" ページ11
、
闇が少しずつ、少しずつ。
頭から消えていく。
「ふぅ……………。」
力を抜いてハクヤにもたれかかれば
しっかりと支えおぶってくれた。
「ほんと、無茶するなって何回も言ってるんだが?」
「ごめんって。」
社から出ればまんまるお月様。
今日は、素敵な日になりそう。
ふと、電源を落としたスマホを起動する。
そこには、シアンから何回も着信があった。
シアンねぇねぇ!ミィちゃんが起きたからパーティするんだって!!リッちゃんもハーくんと一緒においでよ!
シアンオレンジジュース飲み終わっちゃうよぉ?
シアン早くしないとケーキもなくなっちゃうよ!リッちゃんの好きなお菓子も!!
笑顔の写真といっぱいに送られてきた
美味しそうなお菓子のスタンプ。
わぁ…………。
既読しないでゴメンナサイ。
無くなっちゃってるなら、皆困るよね。
何かお菓子でも持ってこうかな。
ハクヤの背中の上で、私は少し微笑んだ。
その瞬間
瓦礫が頭に当たる。
っ、なに、これ。
チカチカ、す?
ハクヤを見れば、少し赤い血が彼の顔についていた。
あ、私の血。
「リンっ!!大丈夫か!!!!」
「へ、いき。それよりも、場所。」
飛んできた方向は部室。
嫌な、予感がする。
「戻って。オウレイ。
部室行く。」
「!こういうときは、リンの感が一番冴えるからな。」
水をまとい、龍となった彼は
私を乗せて闇を駆けた。
「さぁ教えてよ!!!昔みたいにさぁ!!!
ラントにぃ!!!」
いつも聞き慣れている声が聞こえれば
笑顔のシアンが生徒会長といた。
笑ってるはずなのに。
そこには、絶望を感じて。
相棒が壊れてるのなんて
見たくなくて。
「っ水の石杖よ!古き力を未来へ宿せ!!」
だから、高らかに歌う。
「何もかもない、水の御殿!!」
今、どんなに身体が壊れてようが。
頭から血を流してようが。
「古きものは姿を変える!」
関係ない!
「新しきは、古代を知る!」
私の"大切な人"を
守るためなら!!!
「我が空間は、時空を超え目覚める!
すべてを飲み込め!
妖術!!!水響御殿・ガルドラブル!!!!!」
校舎や周りが変わる。
私の声に、こっちを向いた相棒。
「シアンっ!!!!」
私は飛び降り
壊れた
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作者名:YSP裏クラブ一同 x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時:2022年8月17日 18時