千葉ガールとシティボーイ(緑)

自分勝手な… ページ30

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すぐ閉店準備をしようとした。
しようとしたけど、



















大『A…なんで…？』














忠義も私に気付いたみたいで。



















「申し訳ございません、もう閉店ですので、」




『Aっ、』


















ぐい、と手を掴まれて、忠義の方へ正面に向けられた。
















「っ、」



















嫌でも目が合ってしまう。














『Aや…』


「離してください、困ります」



















抵抗し、離れようとしてあくまで忠義の事をお客様として扱う私にムッとしたのか、無理矢理私の腕を掴んでまた私を忠義の方へ向けさせて。『会いたかった』と抱きしめた。



















「やめ…っ」



















ビクとも動かないくらいに強く抱き締められてて、
嫌になるくらい忠義の鼓動が聞こえる



















『ほんまに会いたかった』



















なんで？…なんで、なんで、
今更っ。



















『アユと別れてん』



















その返答を私が何もせずにいたら、
忠義がまた話を続けた。



















『Aのこと一番やって気付いたの、
遅くて…、やっと気付いてんっ』



















『でも連絡は取れへんし、
何回か家行ったけど、おらんくて…』













「え、」



















家きてたの…



















『…横山くんと付き合ってるん、やんな』










「なんで」


















『アユが言うてた。…東京に居るん…いつから…？』









「…ちょっと前だけど」















『一緒に住んでんの？』



















嫌だ、自分が嫌だ、忠義に抱き締められながら、なんでも答えそうになってる自分が、吐くほど嫌だ。虫唾が走る。
















『A…、横山くんと別れてや…、』




「…なんでそんなこと言えるの…？」



















どうして軽々しく言えるの？…どんどん涙が出てくる。私が裕ちゃんを好きになったのって、いけない事だったの？



















『俺ともっかいやり直して…』
「離してよ…っ」
















胸板を叩くけど離れてくれなくて、
余計力は強まる一方。



















『勝手でごめん…』と世界一自分勝手なキスをした。

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