千葉ガールとシティボーイ(緑)

ハッピーエンド ページ15

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忠義に肩を抱かれ、アユは私たちに背を向ける。
忠義も背を向けて、歩き出してしまう。

















「忠義…」











私が呼ぶと、立ち止まり、こちらを向いた。

こんな時に思い出す事じゃないとは思うんだけど、
思い出してしまったから言わせて。



















「1人にしないよって言ってくれたの、あれ実はすごく嬉しかったよ…」



















行かないでよ…











そばにいてよ…。















私を見てよ…。



















「ありがとうね…」



















私なら大丈夫だと思ってるの？平気だって思ってるの？



















大『A…俺…』





忠義から欲しい言葉はたった1つで、
ただ、私しか要らないって言って欲しいの。



















私の後ろ手を掴んだ裕ちゃん。
…それを見た忠義は
口を閉ざし前を向き直して歩き出した












「忠義っ、」


















今でた声は、本当に小さく、
誰にも聞こえないくらいなのに、忠義が、
またもう一度、振り返る素振りを見せた。
















でも振り返りきらず俯いて歩いてる。

















『…冷えるぞ』
















優しく裕ちゃんが私に言い、
自分のマフラーを後ろから付けてくれた。
私の目に映る少し丸まった忠義の背中。



















…そこも大好きよ…。

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