元彼の平野くん -another- (ページ5)

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連れてこられたのは空き教室

人通りも少なくて

だから、、怖い

でもついていかなくてもどうせ怖いし
仕方なくついてきてしまった。

「ねえ」

急に振り返り私に話しかけるその人

怖いよやっぱ。

だって、目！
おっきい綺麗な目、めっちゃ見開いてるんだもん。

迫力ありすぎる。怖いよ、、。

「昨日、紫耀といた？」

「え？」

「あんたと紫耀が一緒にいるの、見たんだよね。
私も誘ったけど断られたの。気分じゃないって。」

「•••」

「それで、なんであんたが一緒にいたわけ？
私は断られたのにあんたはいいわけ？」

「わたしはっ、！ただ、誘われて。平野くんに....」

「へえ、なに余裕アピールまでするんだ。」

「ちがくて！！」

わあどうしたらいいんだろう。
このままだと私、どうなっちゃうんだろ、

「だいたいあんたさ、たいして可愛くもないのに紫耀といるとかつりあわないんだよ！！」

「っ、」

グサッと胸がえぐられたみたいだった。

わかってる。釣り合わないことぐらい。

私なんか、平野くんに似合わないって。

だけど、楽しくて、
平野くんとの時間が楽しくて。

忘れていた。

どの言葉よりもその言葉が、
釣り合わないって言葉が、私の心に深く刺さった。

「とにかく、でしゃばんないでよ。
平凡なあんたが。もっと可愛くなってから紫耀に近づいたら？」

泣きそうだった。

でも泣きたくなくて我慢してた。

けど、どうしてもダメで
涙が溢れそうになった瞬間だった

ドンっとドアの方から大きな音がして
驚いて2人して振り返る

そこにいたのは、

「....れん、」

私の兄、廉だった。

「え、永瀬先輩？」

慌てているその子。

慌てるのも無理ない。
なぜなら廉は学校の有名人だから、

「さっきA見かけてな？ちょっとついてきてみたらなんやこれ。」

「えっと、あの、これは」

「気分悪いわ。
俺の大事な妹に、そんなこと言うのやめてくれへん？」

口は笑ってるけど目が笑ってない廉。

この女の子より何倍も怖いオーラ出てるけど
今はそれがなによりも安心する。

「いもうとっ？」

その子は私が廉の妹だと知らなかったらしく、
めちゃめちゃ動揺してる

「そう、妹。
悪いけど俺にとってお前よりAの方が何百倍もかわいいし特別なんやけど。

もう二度と、こんなことせんといてな？」

「は、はい、」

「じゃあもう出てってくれへん？」

廉が冷たくそう言うとその子は逃げるように出て行った