桜色の薔薇は永遠に【紫×緑】 (ページ44)

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桃

よっしゃ、飛ばさないでいけた。
っていう謎の満足感にも浸りながら。
もう朝なってまうやん。

桃「なぁりゅーせ。」
青「んー？」

そのまま二人で布団被って、
寝るというよりはヌクヌクお喋り、みたいな。
なんか甘いな。

桃「怒らんといてや？
俺濱田先生に会いに行きたい。」

そんな甘い空気はすぐ跡形なく消えた。
流星から出る真っ黒なオーラで。

桃「俺ほんま申し訳ないねん流星に...。
流星、こんなに尽くしてくれるのに、
俺まだ濱田先生、」
青「言うな！！」
桃「俺今でも濱田先生が好きやねん！！」

遮りを拒否してまで流星に伝えたかった。
俺のほんまの思い。

桃「...今でもこうやって隣におるのが
流星やなくて濱田先生やったらなって
思ってるよ。」

ひたすら酷いこと言うてるってことも
自分で分かってる。でも本音言わな！
俺もう進みたいって。
こんな、ほんまに好きやないのに恋人なんて、
そんな中途半端な関係もう嫌やって。
それは、流星が俺の人生に必須やから。

桃「でも俺、流星とおると安心するの。
俺流星に依存してるの。
流星おらな生きて行かれへんの。
流星とずっと一緒にいたいの。
俺死ぬまで、一生流星とおらな
もう無理やねん。でも、」

ずっと抱えてきた罪悪感も、思いも、
全部零れてく。言葉でも、涙でも。

桃「ずっと...一生こんな気持ちのまま
流星の隣におるのはほんま申し訳ないし、
一生罪悪感につきまとわれるんも嫌やし、
だから、俺ちゃんと濱田先生のこと
終わりにして、流星とおりたい。...の。」

顔が濡れてくのもお構いなしに、
言いたいこと一気に言う。

桃「濱田先生...に、会わせて下さい。」

なんも言わん流星に不安を覚えて、
触れたくなる。温もりに包まれたい。
俺...、流星に捨てられたら終わりやって。
なぁ、触って......。

青「...一生か。」

静かに紡ぐ唇は綺麗。

青「なぁ、望。」
桃「...何？」
青「一生隣にいてやる代わりに
望の一生と全部俺にちょうだい。」

ねぇ、それって。

青「俺の人生変わってくるんやから、
そんくらいは払えよな。」
桃「...払うとか、
そんな嫌なもんやないやん。本望やって。」

その言葉が口から出てきて、
俺は酷く安心した。良かった。
俺、ちゃんと流星のこと好きになれるわって。

きつく抱きしめられた温もりに何かが壊れて、
俺は流星の胸で思いっきり泣いた。