桜色の薔薇は永遠に【紫×緑】 (ページ34)

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青

紫「神山！」

校門を出た瞬間。振り向かなくても分かる。
そんだけのことが腹立たしいのはなんでや。

緑「...濱田先生、」
紫「ちょっと、ええか？」

ズルない。学校の敷地から出ておくの。

緑「え、はい...。」
紫「小瀧、」
桃「...やめて。」

バレない程度に涙を溜めた望を見れば、
やっぱり目の前の撫で肩を殺したくなる。

桃「俺まだなんも言うてないやん。」

謝ろうとしてたのなんて一目瞭然。
それを塞がれれば、
濱田先生は言葉が続かない。

桃「なんで？」
青「望。」

今にも壊れて叫び出しそうな
望の肩を抱いて引き寄せる。

青「お前は最低や。」
赤「流星...。」

諭すしげなんか聞こえない。
なんも言い返さない優しさにも内蔵が燃える。

青「神ちゃん、またな。」
赤「すぐ連絡するわ。」
青「俺はせーへんからな。」
赤「流星...！」

驚きながらも辛そうな神ちゃんを一人おいて、
俺らは帰路へと歩き始める。

神ちゃんも酷いな。
なんであんな顔してんねん。
死にそうなくらい苦しいのは俺らや。
なんで神ちゃんが辛そうな顔してんねん。
ふざけんなや。神ちゃん、
神ちゃんが笑っててくれないと
俺らが壊れた意味ないやん。しっかりせえよ。

大粒の涙を零しながら泣きじゃくる望は、
止まんなかった。

桃「なんで、しげが、
そんな顔、してんねん！」

パッと見ればしげは望よりも泣いとった。

赤「お前らが、お前らが酷い顔してるからや！
あほぉ......
イケメンがもったいないって...。
それに流星！！なんでお前泣かへんねん！！」

半分怒って半分泣いて。
めちゃくちゃやないか。
そっか。俺が泣いてへんのも、
望が泣いただけで済んだのも、
しげが泣いてくれたからや。
神ちゃんの無責任な表情とは違う。
濱田先生の定番な罪悪感とも全然違う。
本気で俺らの気持ち背負ってくれたからや。

ええ友達持ったなって、
その嬉しさに悲しくなった。

青「...帰ろう。な？」
桃「うん...。」
赤「もー、......帰ろ！！」

それ以来、卒業式の日から今日まで
濱田先生とは会ってない。俺も、望も。