* い ち ご み る く *

13。S*side ページ14

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「ふぁーい」



絶対わかってへんやろ笑、って返事をした後

左手に持っていたいちごみるくの飴を食べ始めたA。



…あのさぁ。



いつも棒飴なめてるけど

その姿えろいんやって。←




絶対、他の人も思ってるしな。


時々長さんとか、

Aを見る目が獣になってるし笑






天然って怖いわ。 …やめて欲しい。






取られたぁないもん。




そんな可愛い顔されたら

みんな狙うに決まってるやん。






…他の人に見せたくないって思うやん。









「？」






気づいたらAの手を掴んでいて

俺の方に引き寄せていた。





普通そんなことされたら何かしら反応するやん？




Aはただ、不思議そうに見上げてくるだけ。





小さい頃から
一人で男子に混じって野球してたらしいから

感覚が麻痺してるんやろな。





男という生き物に対して

何の恋愛感情も、あんな事されるかもっていう恐れや警戒心も


ゼロ。







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『…無防備すぎやから』









Aは何か言いたそうにしてたけど


その前に唇を塞いだ。






こんなんしても

このど天然は、俺に気づいてくれへんのはわかってる。






“さかもとは野球仲間で親友！”



たぶんそう思ってる。






やけど、




ちょっとでもAの中に


友達やなくて、男としての俺を




刻んでおきたくて







「ん、…」





触れるだけのキスを何度も落としていった。









『……ごめん』



終わった後は

ちゃんと謝るけど




「ん。いーよ」





キスの意味をわかってへんAは

いつもと変わらん様子。





顔くらい、紅くしてくれてもええんちゃう？


ちょっとくらい意識してや。







そんなどうでもええみたいに


ニコニコせんといて…









「いちごみるく、さかもとにもあげる」



そう言って

ポケットから出したいつもの棒飴を差し出してくる。





ほんまは

いちごミルクなんかよりお前が欲しいんやけど





なんて、

今は言えへんから







いちごミルクで我慢したる。








『サンキュ。俺もこの飴ハマってきたわ笑』









でも俺、本気やから








その笑顔も



Aの全てを









いつか絶対俺だけのものにしたるわ。




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