吸血鬼が41人 ページ43
必死に走りながらチラッと後ろを見ると…
暗闇で目を白く光らせた大きな狼が私の後ろを追っていた。
「ひっ…やだ…来ないでよ……!」
必死に走るが、相手は野生の狼。
じりじりと距離を縮められ捕まるのも時間の問題だった。
とにかく私は、気合いで走って走って走りまくった。
.
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……うまく…まけたっ?」
後ろを振り向くともう恐ろしい狼の姿は見当たらなかった。
近くの木に寄りかかり、ひどく上がっている息を整える。
数分ここで休んでいると、再びどこからか草をかき分けるような音がし始めた。
狼かと思い息を潜め、なるべく存在を消すようにする。
ガサガサ…ガサガサ…
音は確実に私の方へと近づいて来ていた。
ガサッと言う音とともに現れたのは小柄な人影。
「…なんだ、お前かマズル」
動物の鳴き声とは反対に、低い男性の声が聞こえた。
マズル…?え…?
正面には短刀を持ったうらたさんが。
「遠くから何やら聞こえると思って来てみたが…無駄足だったな」
はぁ…とため息をつくうらたさん。
すいませんね、私で。
そこからは沈黙だった。
うらたさんは何故か星空を見つめている。
誰も話さず、ただただ居心地の悪い空間。
早く帰りたい…
うらたさんとはまだ仲良くなっていないので何を企んでいるのかわからないのが怖いのだ。
手に短刀持ってるしね。
帰ろうかな。ここに居てもしょうがないし、きっとうらたさんも私となんか居たくないだろう。
そう思い来た道を歩き出した。
"ねぇ"
背後からそう聞こえ、振り返る。
ガンッ‼
「いっ…た…!」
「獲物いないと思ったけど…見つけたかも」
頭が追いつかない。
唯一分かるのは、何かに頭をぶつけた事とふわふわな茶髪が顔に当たっている事だけだった。
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留空-るぞら-(プロフ) - リルさん» コメありがとうございます!神だなんて私にはもったいない言葉ですよ(笑)自信を持って、お互い頑張りましょう! (2018年6月14日 5時) (レス) id: 812462b112 (このIDを非表示/違反報告)
リル(プロフ) - 初投稿でこのクオリティ・・・神としか言いようがない!私も最近占ツク投稿始めたんですけど、全然駄目駄目です………。 (2018年6月9日 21時) (レス) id: 2e93d67cbd (このIDを非表示/違反報告)
猫崎 炉斗(プロフ) - ナモカさん» コメありがとうございます!分かります!私も耐えられません 笑 (2018年5月1日 12時) (レス) id: 812462b112 (このIDを非表示/違反報告)
ナモカ - 吸血鬼と生活、我は無理!死ぬ。 (2018年3月29日 9時) (レス) id: 06929f16b1 (このIDを非表示/違反報告)
猫崎よと(プロフ) - 彩加さん» コメありがとうございます!雰囲気が好きだなんて…嬉しい限りです!頑張らせていただきます! (2018年2月27日 2時) (レス) id: 812462b112 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:留空 x他2人 | 作成日時:2017年11月30日 6時