25）予想外-cm ページ25
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「すみません！」
「いや、気にしないで！私も寝ちゃったから....」
東京駅に着く、少し前
気持ちいい眠りから目覚めると
俺は、Aさんの肩に寄りかかって寝ていた。
....これは、自分でも予想外。
昨日、部屋に入ったあと
葉っぱを取るためとはいえ
またAさんの頭に触れてしまったこと
考えたら、なかなか眠れなくて....
それに、初めての出張で緊張もあって
新幹線に乗ったら、心地良くて....つい、寝てしまった。
だけど、Aさんに寄りかかって寝た自分、よくやった！とも思っている。
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東京駅に着いて、今日はこのまま直帰
本当は送って行きたいけど、それは少し図々しいような気がして
改札で別れることにした。
「チャンミンくん、本当に二日間ありがとう。明日また会社でね。」
「はい、こちらこそ。ありがとうございました。」
歩き出そうとした時、ポケットのお土産を思い出した。
「あっ！Aさん、これ、どうぞ。」
「私に？」
「はい。昨日の缶コーヒーとビール....それに、Aさんの肩を借りてしまった、お礼です。」
Aさんが、ハンカチを広げる。
「かわいい！本当に、私がもらっていいの？」
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「ありがとう、大切にするね。」
この二日間で一番の笑顔を見せてくれた。
名残惜しい気持ちを隠すため
「じゃあ....お疲れ様でした。」
自分から先に、歩き出す。
乗り換えて自分の家に向かう電車の中
金閣寺で撮った一枚の写真を眺める。
5年前は、この気持ちにまだ気づいてなかったな....
Aさんの肩、居心地良かったな....
Aさんも寝ちゃったって言ってたけど、どうやって寝たんだろう.....
寝辛くなかったかな.....
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まさか、Aさんも、俺に寄りかかって寝ていたなんて
Aさんのために、一生懸命、京都について調べたことがばれていたなんて
この時の俺は、まだ知らない。
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作者名：ちゃむ | 作成日時：2020年8月29日 16時
