21）頼もしい ページ21
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「ここが、清水寺か〜！写真と同じだー！」
「Aさん、これ出世大黒天って言うそうです。出世の神様らしいです。」
「そうなの？あ、チャンミンくん、私社長になるから。その時は雇ってあげるね。」
「.....頑張ってください。」
少し呆れ気味のチャンミンくんが見えたけど
私はしっかりと祈りをささげた。
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「ここは....行きますか？」
まるで清水寺のことを知り尽くしているようなチャンミンくん
唯一、チャンミンくんが遠慮がちに私に聞いた場所
縁結びに効くという、地主神社
あ.....そっか....気を遣ってくれてるんだな.....
「せっかくだから、行ってみたい。」
そう言うと、安心したように笑った。
「これ、何？」
「『恋占いの石』というらしいです。」
二つの石の間を眼を閉じて歩き、
見事向こうの石にたどり着いたら願いが叶うというものだそう。
「Aさん、やってみますか？」
「うーん、私はいいや....。」
もし、やって、成功したら、無理矢理にでも恋をしなきゃいけないような気がして
できなかった私を気遣って
「俺、やります。」と言って
見事、成功させて、照れたように笑ったチャンミンくんを見て
さっき、一瞬沈んだ心が、またすぐに温かくなった。
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二人でお土産を見る。
営業部のみんなには、京都の定番、八ツ橋。
「ゆっくり見てください。」
チャンミンくんのお言葉に甘えて
知実には、これ。加奈ちゃんは、これ。
喜ぶ顔を浮かべながらのお土産選びは楽しかった。
つい、買いすぎたお土産。
チャンミンくんは、また当たり前のように
私からお土産の荷物を受け取って、歩き出す。
「次は、金閣寺、向かいましょう。」
その背中が、すごく頼もしく見えた。
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作者名：ちゃむ | 作成日時：2020年8月29日 16時
