13）出張 ページ13
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水曜日、朝
京都行きの駅のホームに行くと、チャンミンくんはすでにもう着いていた。
私も早めにきたつもりだけど、
チャンミンくん、早いな.....
スーツを着こなし、ホームの柱に少し寄っ掛かり
本を読んでいる姿、絵になる。
「おはよう。」
声をかけると、本を片付けながら
「おはようございます。」と笑顔を向けてくれた。
あ...今日も可愛い......
「何、読んでたの？」
「『日本の経済』ってやつです。ぜひ、Aさんも読んでみてください。」
「....いや、大丈夫。」
「......言うと思いました。」
今度はチャンミンくん、意地悪そうに笑った。
そんな笑い方も....できるの....
心臓が大きく波打つのを感じた。
「朝ご飯、食べてきた？」
「あ、はい。食べてきました。Aさんは？何かいりますか？」
「私も食べてきた。飲み物だけ、買ってくるね。」
自動販売機でお茶を買う、チャンミンくんには缶コーヒー
「はい、どうぞ。2日間、よろしくね。」
差し出されたコーヒーに驚きながらも
恥ずかしそうに受け取り
「こちらこそ、よろしくお願いします」
今度は優しく笑った。
新幹線がホームに到着するアナウンス
白線近くで会話していたから
本当に、本当に自然に
さっと、腕を取り、私を白線の内側まで導いて
本当に、本当に自然に
私から小さいスーツケースを受け取り
左に自分の、右に私のスーツケースを持って
先に乗り込むスマートなチャンミンくんを見て
この、2日間
私の心臓、もつかな......
冷静にそう、思った。
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作者名：ちゃむ | 作成日時：2020年8月29日 16時
