「恋」っていうから「愛」に来た【鬼滅の刃】

オマケ ページ19

塩対応炭治郎、ついに自分の気持ちを自覚

しかし、敬語マスターしたお嬢様が

あまりにも可愛くなりすぎて話しかけられない

『簪…綺麗ですね』

お嬢ちゃん、お目が高いねぇ！

と、気前のいい店主が褒めてくれた

褒められることを当然だと思っていた時期もあったが

あれやこれや沢山の苦労を乗り越えた今では

褒められることがどんなに嬉しいのかを見に染みて痛感する

褒められた！と幼子のように喜び

ふんわりと優しい笑みを浮かべれば

花開くように美しく、顔を赤く染めてしまうのが避けられない

『でも、お高いですね』

あいにく持ち合わせがないのと

小さくささやく彼女を見て

気前のいい店主がプレゼントしようと

簪を手に取った時。

竈門「その簪を買う」

と、ふと後ろから声がかかった

お嬢様は急に近くなった距離に

かぁ、と真っ赤に顔が染まっていくのが止められなかった

いつのまに、気がつかなかった

とドキドキとなる心臓に問う

ふわりと日差しの香りがして

一歩下がれば自身の背中が炭治郎に触れてしまう

いつもより近いところでかけられた声に

お嬢様はきゅーっと辛そうになる心を抑えられなかった

お洒落なんてしていないのに

肌も荒れているし、思わず眉間に皺がよってしまうし

そんなこんなで頭が混乱してしまったお嬢様は

必死に裾で顔を覆って背中を丸めた

『店主さん、あ、ありがとうございました』

バレないように、バレませんように。

話しかけたい、けれど嫌われるかも

いつか押してダメならひいてみろって聞いた

そもそも、今。こんな手先もボロボロで

薄化粧しかしてなくて、汚れてもいい着物なのに。

たくさん、たくさんその場を投げるための言い訳が出てきて

背中を丸めて顔を覆ったまま

その場を立ち去ろうとする

その後ろ姿はとっても小さくて

逃げられるとずき、と痛んだ心に突き動かされて

炭治郎は思わずその背中を叩くのである

『いっ！』

なぜ叩いたのかは炭治郎でも謎である

お嬢様はびっくりして、殴られた？嫌われた？と

痛む背中を押さえながら

それでも早急にその場を去ろうとする

やってしまった

と、言わんばかりの炭治郎はどうしても不器用である

竈門「げ、げんきっか！！」

炭治郎は思いのほかあまりにも可愛く育ちすぎた

あのワガママ娘に惚れ込んでいるらしい

話そうとするだけで顔を赤く染めて

目を合わせたいのに合わせられない

変に裏返った声は女のように高かった

次に行きます

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