参．10人目の雪柱

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私達が加勢してちょっとは良くなったかと思った戦況も、また少しずつ変わり始めた



全員が至る所に傷をつけられ、体に支障がでている







何とか勘で避けていくも、あまりの速さに瞬きも許されない


対角で戦う蜜璃が何かを考えているかのように動いているのだけが目に入った




捨て身で突っ込もうとしているのか、？


速度が上がって会話する暇もない…！






その時だった


攻撃を避けたはずの蜜璃の体が内側にフワリと揺れる



『…は？』



次見えた時には腕はなんとか避けていたものの、蜜璃の左半身が削られていて





蜜璃は攻撃を避けていたはずなのに、


助けに行こうとする伊黒諸共トドメをさそうとする無惨


それを残りの柱全員で止める







涼しい顔で私達の攻撃をいなす無惨に舌打ちが止まらない


間合いを詰めて斬撃と同時に切断面を蹴り上げる



でも、と着地してすぐに動き出す




それをやったところで稼げる時間は瞬き程度


そんなことは分かってる！ただその瞬き程度の時間でも欲しいんだよ…！







それに、と攻撃を避けながら腕にある口を睨む


あの口の吸息！！

範囲が広い上に強力な吸い込み、避けるために体力が何倍も削られる





夜明けまでの気が遠くなる1秒を稼ぐために、鬼殺隊の全員が命さえもかなぐり捨てる


負けることは許されない、仲間の命を無駄にすることは絶対に…！




ガキン、と音がして義勇の刀が弾き飛ばされる


「(握力が…もう…)」




立ち尽くした義勇に向かう攻撃を伊黒と悲鳴嶼さんが止める


『諦めるのは早いぞ義勇！まだ動けるだろう！！』



ドン、と義勇の目の前に刀が刺さり、それを投げたであろう不死川の声が響く

「ボケっとすんじゃァねぇ！！ブチ殺すぞォォ！！」



相変わらず物騒だな…


そんなことを考えている間に義勇は刀に手を伸ばし無惨に斬りかかっていた



「(まだやれる！！しっかりしろ！！最期まで水柱として恥じぬ戦いを！！)」






必死に攻撃を避け続けるも無惨の腕が顔の真横を通る


『っ！！』



そんなの、完璧に避けれるわけが…！




何とか右側に重心を傾けるも避け切れるわけもなく、耳がブチ、と嫌な音を立てる





嫌な音と共に激痛が走った顔の左側


『い“っ…！』


思わず膝をつけばまた無惨の腕が振り下ろされる





やられる、






本能がそう私に告げた時、フワリと見慣れた半々羽織が頰をかすめる




『…あ、』

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