第二十話「鬼の兄弟」 ページ21
宇髄天元とかいう奴は人をジロジロ見る奴なのだろうか。俺の顔を見れば眉を寄せ、顎に手を当て唸る。俺の頬に傷が付いているからなのか?いや、そうでもなさそうだ。
「では、行きましょう」
俺が行こうと提案すれば音柱は嫌々そうにその任務先へ向かうのだ。その道中一切会話は無く、むしろ睨まれた気がした。俺は何かしたのだろうか。遅れてしまったのは申し訳ない。義勇の活躍をカラスから聞いていたらいつのまにか時が過ぎてしまっていたのだ。男として情けない。
「報告によると此処ですね」
報告を聞けば、街から人が真夜中、家の中に入ろうが、外にいようが関係なく連れ去られているらしい。それも多くの人が。おそらく血鬼術を使う鬼だろう。だから柱と組まされるわけだ。
「俺は先にこの街を見てくる。お前とは別行動だ。せいぜい頑張れよ」
「なっ、おい…!」
宇髄天元はそれだけ言うと家の屋根へ飛び移り颯爽と掛けていった。思わずおいなんて掛けたが、気を止めることもなく走り去る。俺は大きなため息をついて頭をかいた。一体何のための合同任務なのか。俺は渋々街を歩く。もう夜中のため、静まり返り家には明かり一つもない。きっと、息を押し殺し夜を過ごしているのだろう。鬼に見つからぬよう、眠れぬ夜を過ごすのだ。
「…さっきから見ているのは分かっている。出てこい」
俺は歩んでいた足を止め、刀を手にかけたまま後ろを振り返る。そこには誰もいないが俺には誤魔化せない。跡をこそこそとつけてくるやつが。何処から来る?上か?下か?それとも…
「そこか!」
俺は真横に刀を振るえば何もないところから血が噴き出した。なるほど、それは厄介な血鬼術だ。
「いてぇ!いてえよ…!!」
姿を現した鬼。おそらくこいつの血鬼術は透明になること。奴は俺が斬ったであろう額を抑えもがき苦しんでいた。こいつが、街の人を喰らい人を苦しませた鬼の正体か。俺は腹が煮えくりかえった。
「いてえ、いてえよ…!!」
そいつは怯えるばかり。俺の刀を見れば情けない声を出す。何だこの鬼は?喚くばかりで攻撃しようとしない。こいつは何者だ。
「いてえ、いてえよ“兄さん!”」
「!」
俺はその言葉を聞いて目を見開いた。この気配、来る!!俺は刀を頭上へと振り上げればガキンと音が響き渡った。俺はその力に押し戻され、その鬼から離れた。…何か違和感があると思ったんだ。
「お前か、弟に傷をつけた奴は」
まさか、鬼が群れてるなんてな。
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❤︎ - 面白かったです〜!!!最後には少しうるっときました…笑もう3年も更新されていない事に驚きです。続きが気になる〜〜!!何年でも待つのでまた更新してくれたら私含め読者達ありがたいです!待ってますね。 (8月24日 21時) (レス) @page41 id: f6dfc22ed3 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ - めっちゃ面白いです!!!更新待ってます!!!!!!!! (2022年3月22日 22時) (レス) @page41 id: 4673827fe0 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 続き!続きはどこ?!ねぇ?!((やかましい (2022年2月26日 21時) (レス) @page41 id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
とうめい - 終わっちゃった〜…続きが気になります…更新待ってます!! (2021年10月3日 12時) (レス) @page41 id: 4fdb593f0d (このIDを非表示/違反報告)
りあむ(プロフ) - 終わり!?更新待ってます、、、 (2021年10月2日 20時) (レス) @page41 id: 5dcfb8d8c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜餅 | 作成日時:2019年11月17日 20時