第十三話「久方ぶり」 ページ14
宇髄さんと出会って、何年か過ぎた頃。私は既に、16の年を迎えていた。平和な毎日が続いいてきた頃に、ある客はやってきた。
「色男…?」
「そう!一体誰なの!?」
ある年の冬、私はお客が来てると騒がれた。禿が興奮したように言うので私は首を傾げ、記憶を辿る。思い当たったのはただ一人。宇髄さんだ。年月が過ぎた今頃、私になんの用だろう。こんなに騒がられるなんて、宇髄さんはみんなから見ても色男なんだな。私は会いに行ってくるねと言い玄関先まで行くが、禿にガシリと手首を掴まれた。
「ちょっと、そんな格好で行くつもり?」
「そんなって…いつも通りだけど?」
自分の服装は、使い古した着物。別に、私は身なりを整えなくとも選択や食事を作ることはできる。それに、そんなもの必要ない。私を添い遂げる人なんていないんだから。
「ダメ!こんな汚い着物で!ほらこっち!」
「え、ちょっと…!」
問答無用とでも言うように私の手を引き、部屋へ連れ込まれた。会うだけだと言うのに、禿は着物を私に叩きつける。こんなのしたって仕方ないのに…。と思うけれど楽しそうな禿を見ては何も言えない。
仕方ないので着物を着れば次は化粧、次は髪。宇髄さんを待たせてしまうけれどいつのまに学んだだろうか。ものの10分で済んだ。
「やっぱり!A綺麗!」
禿が私を見て興奮したように言うので苦笑いする。これはもう禿の自己満足だな…楽しそうな顔見れて嬉しいからいいけど。
「私、あの色男呼んでくるね!ここでまってて!」
禿は駆け出し部屋から飛び出た。止める暇もなくそのまま出ていった。私は大きなため気をつく。重たい体を起こし全身鏡の前へと立った。そこに映ったのは、綺麗な着物を着た知らない人。これが私なのか、化粧もすれば化けるモノだ。
私はペタペタと自分の顔に触れながら鏡を見つめた。白粉もすれば、あの頬にあった傷も目立たなくなってる。
「プッ…」
部屋には一人しかいないのに、誰かが笑う声が聞こえた。私は驚いて後ろを振り返ればそこには原作で見慣れた人がそこに立っていた。
「宇髄さん…」
「よぉ、久しぶりだな」
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❤︎ - 面白かったです〜!!!最後には少しうるっときました…笑もう3年も更新されていない事に驚きです。続きが気になる〜〜!!何年でも待つのでまた更新してくれたら私含め読者達ありがたいです!待ってますね。 (8月24日 21時) (レス) @page41 id: f6dfc22ed3 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ - めっちゃ面白いです!!!更新待ってます!!!!!!!! (2022年3月22日 22時) (レス) @page41 id: 4673827fe0 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 続き!続きはどこ?!ねぇ?!((やかましい (2022年2月26日 21時) (レス) @page41 id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
とうめい - 終わっちゃった〜…続きが気になります…更新待ってます!! (2021年10月3日 12時) (レス) @page41 id: 4fdb593f0d (このIDを非表示/違反報告)
りあむ(プロフ) - 終わり!?更新待ってます、、、 (2021年10月2日 20時) (レス) @page41 id: 5dcfb8d8c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜餅 | 作成日時:2019年11月17日 20時