【イナGO】ヒスイ色の記憶の再失【ｸﾛﾉ･ｽﾄｰﾝ編】part11

第452話　パーフェクト･カスケイド ページ2

「敵の要請。現在の状況に支障なし。返答する。
私はレイ･ルク。エルドラド所属のチーム、パーフェクト･カスケイドのキャプテン」

「パーフェクト･カスケイド……!?」

「アルノ博士が言っていた、エルドラドの最強エージェント……!」


少年――レイ･ルクが、ワンダバの問いに答えると共に
彼の周囲に続々と出現する、パーフェクト･カスケイドの面々。

事前にチームの情報を得ていた一行の内、フェイと神童がその現実を声に乗せた。
奴等さえ倒せば、サッカーを取り戻せる見込みは相当に高くなる。


「じゃあ、アイツ等を倒せば……円堂監督とサッカーも、取り戻せる!」

「天馬、オラにもやらせてくれ!」


同じ事を思い出し呟いていた松風を我に返らせたのは、突如のトーブの申し出だった。

狩屋を押し退けて、身を乗り出した彼の面持ちはあくまでも真剣であったが
思いもよらない事態に、西園はつい疑問の声を返してしまう。


「トーブが!?」

「友達をひでぇ目に遭わせる奴は、ぜってぇ許さねぇ!!」

「……よし、頼むよトーブ! 良いですよね、監督!」


寧ろ心強い仲間だ、西園の横で笑みを浮かべた松風はAを見上げ、承諾を待つ。
一方、Aもトーブの実力を十分に知っていたため、異論もなく頷きを返した。

すると、誰かがスタメンを抜けなければならなくなるのだが――
そこは狩屋が、仕方のなさそうに大きな溜息を吐いて、譲ってくれたのは別の話。



〜･〜･〜



「さあっ、新メンバー･トーブを加えた雷門中!
対するはエルドラドの最強チーム、パーフェクト･カスケイドだ!」


どこに居る人物かも知り得ぬ実況者が呼び出された手前、
いつも通りにAと鬼道を監督に据え、各々ポジションにつく雷門イレブン。

流石にこの場では時代に合った服装では居られず、ユニフォームに着替えた状態で
フィールドに立ち、パーフェクト･カスケイドと向かい合った。


「……あんまり強そうじゃないやんね……?」

「ああ、覇気を感じない……」

「でも不気味です……」


表情が動かなければ、予備動作も準備運動も無し。
今まで感じた覚えはないが、今の敵側からは呼吸すら感じ取れないような心地がする。

漠然とした黄名子の言葉に同意を示した霧野。速水もその言葉裏に同調の意が籠る。
そこへ、レイ･ルクから相も変わらず単調な声が投げかけられた。


「君達が勝利する確率はゼロに等しい。だが、回避は不能。戦闘開始を要請する」

「「「…………!」」」

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