幕間3･とある病室にて[後編] ページ36
･
＞＞＞From [前編]
http://uranai.nosv.org/u.php/novel/COCOAshioANST2/?p=%BC%AE%BF%A5&&ans=37
｢本当につい先日だけどね。2人共、本人が望むならって言ってくれたよ｣
｢…………｣
｢ところで。
君のことを調査してて、凄い話を耳にしたんだ。何だと思う？｣
｢……わ、わかりません｣
｢そうかな？ 君の人生における事件はいくつもあったよね｣
｢わ……わたし、何も、凄くは――｣
｢――君、いじめられているそうじゃないか｣
｢…………｣
｢それを知った時、僕も憤りを覚えたよ。K高も所詮、高偏差値帯とはいえ普通の公立高校か、ってね。
……でも夢ノ咲学院なら、そんな事はない。学院の皆が、同じ目標を見据えて努力している。そして、優秀な人材は、正当に評価されるべきだ。
君みたいな素敵な子がいじめに怯えながら生きる必要なんて、もう無いんだよ｣
｢……っ……！ あの、手……｣
｢ああ、ごめんね。……手を握るのは、不快だったかな｣
｢い、いえ……｣
｢そうそう、笑ってほしいな。
あと。
君は衣更真緒くんと昔馴染みだったよね？ 夢ノ咲学院には彼がいる。もちろん衣更くんの友達もいるし、プロデューサーとして働くうちに、他にも新しい仲間ができるはずだよ｣
｢……はい｣
｢今年度、プロデュース科はまだテストケースとしてしか動かない。分かっている限りの現状を言えば、君を除くと、女子生徒が1人のみ入る予定ってところかな｣
｢…………｣
｢つまり『プロデューサー』の希少性・重要度共に、比類なく高い状態にあるという訳だ。ご理解、いただけたかな｣
｢……はい｣
｢君は、必要とされるべき存在。決して、独りぼっちなんかじゃないんだ｣
｢……はい｣
｢さあ、こちらが開示できる情報は全て出したよ。どうだい？ 転入を考えてみてはくれないかな？｣
｢…………｣
｢まあでも、突然こんな話をされても混乱するだろうし、返事はまた――｣
｢……わかりました、お受けします｣
｢――ああ、よかった。
じゃあ、ここにサインをしてもらえるかな。他の手続きは、全てこちらで済ませておくよ｣
｢サイン……？｣
｢そうだよ。署名、と言ったほうがわかりやすいかな？｣
｢……はい｣
｢うん、確かに。ありがとう、Aちゃん。
ご覧の通り僕は病身で、いつ退院できるかもわからないけど……君が安定した学校生活を送れるよう、友達に話を通しておくよ｣
｢……はい。ありがとうございます｣
｢そうそう、ところで――｣
131.決戦当日・朝→←130.決戦前夜 その四 ―｢約束｣― by R
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 294人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Mashiro Lio(プロフ) - 迷えるJK〜dark side moon〜さん» 簡単な方(ただし難しい方と同レベル)に2年の終わり頃決めました。私の｢やりたい事｣と職業は無関係ですが、高収入は資金調達に必須ではあるので。描写は現実味に拘っているので、そのお言葉嬉しい限りです！今後も本作をよろしくお願い致します。長文失礼致しました。 (2021年3月23日 12時) (
レス) id: 3124529ae6 (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro Lio(プロフ) - 迷えるJK〜dark side moon〜さん» そう言ってくださってとても嬉しいです！大学につきましては私の場合、当初やりたい事が無かったので｢国家資格を取れる、かつ狙える中で最も高所得を得うる所｣で決めました。2つ選択肢があり、ギリギリ難しい方を目指すか確実にもう一方で受かるか迷いましたが結局、 (2021年3月23日 12時) (レス) id: 3124529ae6 (このIDを非表示/違反報告)
迷えるJK〜dark side moon〜 - （追加）いつも小説の高校生の描写などが素晴らしく、きっとMashiroLio先生は賢い方なのだろうなぁ、と思って質問させていただいた次第です。お話にも関係のない話ですし、迷惑でしたら無視してくださって構いません。 (2021年3月23日 11時) (レス) id: ffd50faadb (このIDを非表示/違反報告)
迷えるJK〜dark side moon〜 - はじめまして！いつも小説楽しみにしてます＾＾私、MashiroLio先生の考え方に憧れていて、将来代替え出来ない人になりたく、次高3で進路（大学）選びに迷っているんですが、先生はどうやって決めましたか？もしよろしければ学びの方面など教えていただきたいです！ (2021年3月23日 11時) (レス) id: ffd50faadb (このIDを非表示/違反報告)
苺バニラ(プロフ) - Mashiro Lioさん» 迷惑になりそうだと思いコメントを削除した瞬間に返答がきたので、驚いてしまいました……。ある意味ではタイミングがバッチリですね(笑)もし貴方様がお暇な時は、ぜひボードにいらしてください♪好きな時間に書き込んでくださいね！ (2020年10月17日 16時) (レス) id: ead3d047d6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Mashiro Lio | 作者ホームページ：http
作成日時：2020年2月29日 11時
