23話 ページ26
ドカッ、ダンッ、ダンッ
壁に靴裏を打ち付ける音が廊下に響く。
通る人々が何事かとこちらを振り向くが、寛明はそんなことは御構い無しに無表情で壁を蹴り続けた。
「寛明さん、」
そこまで言って、出かけた言葉を飲み込んだ。
何も知らない俺が今寛明さんに声をかけるのは、賢明な判断ではない。
あの後あれこれ考えているうちに、寛明さんは戻ってきた。だが寛明さんは無表情で俺の腕を掴むと、廊下に引っ張り出した。
廊下に出てそれから、ずっとこの調子だ。壁を蹴り続けている。無表情で。
ドカッ!!!!
今までで一番大きな音が響いた。俺は思わず首をすくめた。
寛明さんが、壁を蹴りながら口を開いた。
「上層部に
「は」
ドクンと胸が波打った。
…寒い。吐き気がする。
全身に鳥肌が立つ。
「……どこまでですか」
出た声は震えていた。
寛明さんは壁を蹴るのをやめて俺の肩に手を置いた。
寛明さんは、無表情で言った。
「俺が黒の組織と関わりがあることはバレたが、お前が黒の組織と関わりがあるということはバレていない。」
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作者名:神風 | 作成日時:2018年5月22日 18時