好きじゃないよ、絶対 (ページ17)

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お風呂に入って1人になった時、ふと檜山くんのあの蔑むような冷たい目を思い出して泣きそうになった。
あんな生々しいキスシーンを見せられて、彼は私を汚いと思っただろう。
だって、私でも唇を引きちぎってしまいたいほどには汚いと思ったから。
幻滅しただろう。
元から嫌われてるのは分かってるけど、この件によってもっともっと嫌われた気がする。
浮気相手だと勝手に根も葉もない噂を流され、当事者である私はヘラヘラして、なぜか一緒に委員の仕事をすることになって、なぜかキスシーンを見せられて。
キモイでしょ、流石に。
嫌いになるのも無理はない。
嫌いな人の生々しい深いキスシーンほど見たくないものはないだろう。
好きと嫌いは表裏一体というように好きな人のキスシーンを見たくないのと同じで、嫌いな人のキスシーンだって見たくない。
色々考えるうちにだんだん頭がぼんやりしてきて逆上せたことを自覚した。
流れた涙はシャワーでなかったことにした。
そして目が腫れないようにシャワーの温度を最低まで下げて顔、そして体までも冷やした。
これで頭も冷えるだろうと思った。

お風呂から上がるとさすがに少し寒く感じた。
夏が近くなってきているのに脱衣所のストーブにスイッチを入れた。
着替えはまさかのキャミソールに短パンを用意していたから部屋に戻って分厚めの寝巻きに着替えた。
髪を乾かすのも面倒に感じて、後回しにしているうちに眠りに落ちていた。