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それからも檜山くんとは付箋で伝えたいことを伝え、会話をすることはなかった。
忘れていたが、夏休みが明けたら宿泊学習だ。
班決め、しないとな。
副学級委員というものがないこの学校、代理として使われるのは基本的に唯一生徒会に入っている私。
ということは、班決めの話をする時に私もなにかしなければならないかもしれない。
全ては檜山くんの仕事ぶりが優秀かどうかだ。

先生はすぐ生徒会だろ、と私をこき使う。
生徒会というのは学校のために動くのであって、クラスのために動くのではない。
今日も、いつものようにノートを全員分教室に持っていけ。
薄いノートだからそこまで重くはない、そう思った私がバカだった。
先生は追加のプリント類を全て私に渡してきた。
なんなんだ。
こういうのは学級委員に任せてほしい。

物理的にも精神的にも重い足取りで階段を上る。
こういう時に最上階は嫌なんだ。
景色はいい、そこは認める。
それならエスカレーターやエレベーターをつけてほしい。

「持つ。」

ヨタヨタと階段を上る私から軽いプリント以外を受け取り、1段飛ばしで軽快に上っていった。
ありがとうって言えなかったな。

ようやく教室にたどり着いて教壇にプリントを置くと、檜山くんがロッカーを漁っていた。
話しかけづらかったが、感謝は伝えなければならないと祖母から言われているため言わないと気が済まない体質になってしまった。

『檜山くん、ノートとか持ってくれてありがとう、助かった。』
「うん、」

お目当てのものが見つかったのか、くしゃくしゃになったプリントを持って走り去った。
久しぶりに話せた。

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作者名:ちよちば | 作成日時:2023年1月22日 23時

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