レベル54-past edition- ページ6
ほんの少しだが感情を出すことが出来るようになったAは、翌朝起きると見知らぬ人が二人増えている事に驚いた。緑のキャスケット帽を被りサングラスを掛けた男と、「PENGUIN」と書かれた帽子を被る男。
これがAと二人との初めての出会いだった。彼らの手には救急箱があり、眠っている間に治療されたと分かる痕跡が、腕に巻き付けられた包帯などの形として残っていた。
「お、お目覚めだな」
「おはよ、って言ったってビビるよなぁ。知らない男が二人いちゃ」
体調はどうだ、と聞いてくる二人に見下ろされて言えるものも言えなくなっていたAの元にローがやって来た。愛刀を担いで彼女を見る目は、昨夜よりも若干柔らかく見えた。
「おれはもうここを出る。おまえはどうする」
「出るって、どこへ＿＿＿＿＿＿＿」
「海だ。おれたちは海賊だからな」
「！」
世間に疎いAでも海賊の存在は理解していたので、ローの口から出た二文字に目を見開いた。
悪行を繰り返し自由を求める存在、秘宝を狙って海を渡る者。彼らの存在が一般人を脅かしているという噂も聞く程非道な存在だと認知していた。
しかしローの姿を見ていると、とてもそんな風には思えない。
噂と事実の矛盾に混乱しそうになったAだったが、一つ彼女の中で確かだったのは、ローは今までの人とは違うという事だった。
見知らぬ人に着いていくことの恐ろしさはまだ拭えない。いつ死んでも可笑しくない。
だが、この人に着いていき、諦めていた自由を知る事が出来るなら。想像もしなかった世界を見ることが出来るなら。
この島に閉じ籠ってあんな扱いを受けて死ぬ位なら、海の藻屑となって消えてやる。
「＿＿＿＿＿＿私を船に乗せてください」
「······シャチ、Aを船に運べ」
アイアイ、と返事をしたシャチにおぶられ身を固くする。ちゃんとした返事も貰えずにおぶられて船に連れて行かれそうになっているAは、ローに呼び掛けようとしたが、まだ名前を知らなかった。
そんな彼女の様子を見て、ローは自分の名前を溢す。
「トラファルガー·ロー。ハートの海賊団の船長だ」
「！」
「おれと一緒に来い。自由を見せてやる」
こうしてAは正式にハートの海賊団の一員となり、故郷を離れることになった。
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水飴(プロフ) - 琴葵さん» 初めまして、コメントありがとうございます！とても励みになります···！ゆっくりと更新していきますので、気長にお待ちいただけると嬉しいです！ (7月31日 10時) (
レス) id: bc02f2c7ae (このIDを非表示/違反報告)
琴葵(プロフ) - この作品を何度読み返しても､心の動きに惹かれ検索をかけても無意識に辿り着く作品です。ONEPIECEを最近知り､パンクハザード編を見終えた新参者ですが、更新これからも楽しみに待っています。どうかご自身のこと優先でお体に気をつけてお過ごし下さい…！ (6月25日 8時) (レス) @page16 id: 2a7eef1005 (このIDを非表示/違反報告)
水飴(プロフ) - もちふわさん» コメント有難うございます！ご指摘有難うございます、直ちに直させて頂きます！ (2022年11月13日 14時) (レス) id: 4efe73e95e (このIDを非表示/違反報告)
もちふわ - 指摘です。前作のprofileのところの容姿のところにタトゥーや刺青って書かれてるけど、タトゥーと刺青は同じ意味ですよ。 (2022年11月13日 13時) (レス) id: 33de98826c (このIDを非表示/違反報告)
水飴(プロフ) - さくにょ＠テスト終了まで低浮上さん» さくちゃぁぁんありがとう〜！！私も予期してなかったけど続編行っちゃった！完結まで突っ走れるように頑張るねぇぇ！！！ (2022年10月9日 10時) (レス) id: 4efe73e95e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水飴 | 作者ホームページ：https://twitter.com/mxa_1031
作成日時：2022年10月8日 21時
