レベル７ ページ9
夜番が終わり、潜水艦が再び水に潜った頃、私は船内のリビングに向かってフラフラと歩いていた。
ロシナンテさんは名残惜しそうにしながらも、やりたいことが見つかったから、と言ってこの潜水艦から降りていった。またいつか会えたらいいなと私に言い残して。
一睡もせず話し込んだおかげで頭が正常に働かない。他のクルーが当番の時は交代制なのに、何故か今回は私だけ一人でする事になっていたのだ。
誰かに言って手伝ってもらおうかとも考えたのだが、嫌がる顔が目に浮かぶので一人で受け持つことにした。案の定とても疲れたので次からは頼むことにしよう。
「おい、前を見て歩け」
「＿＿＿＿あ、すみません船長。おはようございます······」
あともう少し、というところで前から来た船長にぶつかってしまった。今ちゃんと話せているかも危ういほど頭が回っていない。欠伸を押し殺して挨拶すると、船長の手が私の頬をやや乱暴に掴んだ。
只でさえ朝は不機嫌気味なのに、今は一層眉間に皺が寄って怖い。
「い、いひゃいれふせんちょー」
「隈が出来てる。まさか一睡もしてないとか言うんじゃねェだろうな？」
ギロリと睨まれて思わず目を反らしてしまい、見事にバレた。
夜番を担当するクルーは夜番前に仮眠を取ったりするものだが、私は結局昨日の朝から仮眠も昼寝も取っていないので、実質丸一日起きているようなものだ。
特に用事も無いはずなので、リビングで少し仮眠を取ろうと思っていたのだが、船長に捕まってしまったのでそれも出来そうにない。
はぐらかしたって意味がないことは分かっているので素直に話すと、馬鹿か、と言われた。
そして突然船長の手が腰に伸びて、私は持ち上げられた。視線が随分と高くなり、体が安定しない。そして進行方向とは逆の景色がどんどん小さくなっていく様が見える。
「ちょっ、船長、下ろしてください！ていうか何で俵担ぎなんですか！」
「うるせェ。動くな、落とすぞ」
カツカツと靴音を鳴らして進んでいく船長の服を掴んで浮遊感に耐えていると、辿り着いたのは私の部屋だった。遠慮なく部屋に入った船長は、制止する私の声も聞かず私をベッドに投げた。
「寝てろ。時間になったら起こす」
船長なりの優しさだ、と思いながらありがたく眠りに就かせて貰おうとすると、部屋から出ていく間際に説教はそれからだ、と言われた。
······起きたくないなぁ。
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水飴(プロフ) - なつみさん» 初めまして、コメントありがとうございます〜！作者の私情の関係にもよりますが、いずれはどちらも書かたら良いなと思っておりますので、お楽しみにして頂けたらと思います！ (2022年9月16日 0時) (
レス) id: 4efe73e95e (このIDを非表示/違反報告)
なつみ - どっちもみたいです!!!! (2022年9月15日 20時) (レス) @page25 id: dfa30137f5 (このIDを非表示/違反報告)
水飴(プロフ) - さくにょさん» コメントありがとうございます！頑張ってどちらも書けたら良いなと思っています😌 (2022年9月12日 21時) (レス) id: 6a94704c3e (このIDを非表示/違反報告)
さくにょ(プロフ) - エース、コラさん・・。どちらも気になりますね・・！ (2022年9月12日 21時) (レス) @page25 id: 075aa05b66 (このIDを非表示/違反報告)
水飴(プロフ) - グエグエさん» 初めまして、コメントありがとうございます〜！私のやる気があればいずれどちらも書くと思いますのでお楽しみに...！ゆっくりと更新頑張ります！ (2022年9月12日 11時) (レス) id: 6a94704c3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水飴 | 作成日時：2022年8月20日 16時
