検索窓
今日:6 hit、昨日:49 hit、合計:334,512 hit

レベル5 ページ7

コラソン視点



おれが兄に撃たれて死んでから、なぜか幽霊というものになってしまったらしい。
死んだらみんなそうなるだなんて、誰かに言われたわけでもないが暗黙の了解のように信じていた。

どうやらそれは本当らしい、と自分がなって漸く実感した。


死に別れたローを探しながら、特に意味もなくフラフラといろいろな所を歩き続けていた。
かなり長い年月をこの姿になって過ごしてきたが、一度たりとも成長しているであろうあいつに会うことができず、世界は広いと痛感していた。


しかし今日は死後のおれに初めての奇跡が起こった。
小さな島に来ていた見知らぬ海賊団の船員三人に興味本意でついて行ったのだが、そこに探し求めていたあいつがいた。


あんなに小さかった奴が、強くなって海賊を率いるまでに成長している。
誰にも縛られることなく、おれが死ぬ間際に願った“自由”を手に入れているのだと知った。


(良がっだ······よ"がっだな"ァ、ロー!!)


誰にも見られていないことをいいことに、一人で馬鹿みたいにわんわんと泣きじゃくっていた。
出来ることならハグの一つや二つしてみたいものだが、あいつにおれが見える筈もないので諦めた。


ただ、折角会えたのでもう少しだけこの船に居座っていようと考えた。
誰にも見られない体ってのも便利なもんだと思いながら、あいつと船員のやり取りを見ながら時間を過ごした。







だが、そんな悠長なことを言っていられるのも僅かな間だけだった。
夜番をしているであろう一人の船員がおれの方を見ている······気がする。


(え······見てる?おれの事見てる??)


どうせ見えないんだから、とそいつの気配を後ろに感じながらも余裕漕いで煙草を吹かしてたのだが、隣にやって来た途端より一層視線を感じる。

痛いくらいのそれについつい横目で見てみると、昼間に会った少女だった。



「あのー」

「っっっ!?!?」



驚いた瞬間、胸元でシュボッ、と音がして何かを燃やしたような臭いが鼻を突いた。
開いた口から煙草が落ちてしまい、コートに火が着いた。



「あっっっっっつ!!!!」

「ギャァアア燃えてるぅぅ!!!」

レベル6→←レベル4



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (229 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
783人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

水飴(プロフ) - なつみさん» 初めまして、コメントありがとうございます〜!作者の私情の関係にもよりますが、いずれはどちらも書かたら良いなと思っておりますので、お楽しみにして頂けたらと思います! (2022年9月16日 0時) (レス) id: 4efe73e95e (このIDを非表示/違反報告)
なつみ - どっちもみたいです!!!! (2022年9月15日 20時) (レス) @page25 id: dfa30137f5 (このIDを非表示/違反報告)
水飴(プロフ) - さくにょさん» コメントありがとうございます!頑張ってどちらも書けたら良いなと思っています😌 (2022年9月12日 21時) (レス) id: 6a94704c3e (このIDを非表示/違反報告)
さくにょ(プロフ) - エース、コラさん・・。どちらも気になりますね・・! (2022年9月12日 21時) (レス) @page25 id: 075aa05b66 (このIDを非表示/違反報告)
水飴(プロフ) - グエグエさん» 初めまして、コメントありがとうございます〜!私のやる気があればいずれどちらも書くと思いますのでお楽しみに...!ゆっくりと更新頑張ります! (2022年9月12日 11時) (レス) id: 6a94704c3e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:水飴 | 作成日時:2022年8月20日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。