レベル43-past edition- ページ44
ハンネルが王座に就く権利を得るために国王に近づき、殺害の好機を伺っていたのではないか。その美しい容姿でガルシアに近付き、陥れた悪女なのではないか、と噂は大きくなっていく。
その言葉に戸惑う国民、それでもハンネルを支持する国民、様々だった。
徐々に雲行きが怪しくなる頃に、偶然にも
「弔われなかったこの地の霊が怒り、我らは災害に見舞われた。霊を鎮めることが出来ずに怨みを買った原因は霊媒師だ。ウィングバン·ハンネルは霊媒師として、王妃として責任を負うべきである」
偶々不運が重なっただけなのだが、不安と混乱を極めていた国民達は最早疑う余裕を持たなかった。
人間は余裕がなくなると冷静な判断が出来なくなってしまう生き物だと証拠付けるように、誰一人として冷静に考え直し、暴論だと反論するものはおらず、次第に無実なハンネルに怒りを持つ国民が増えていった。
同調圧力が働いてしまえば、もう後戻りはできない。
国民のハンネルに対する疑念が確信へと変わった時、ハンネルの運命は定められることになった。
＊
＊
「あー、うぅー」
ハンネルの腕の中で安心しきった顔でハンネルを見ている赤子の女の子。不運続きで苦しんでいるハンネルが笑顔になれる唯一の存在だった。この子だけは守る、と密かに誓うハンネルに、この地をさ迷う霊が知っている全ての事を伝えた。
街でハンネルを処刑しようと国民たちがデモを起こしていること。
ガルシアを殺害したのは腕のたつ暗殺者であったこと。
国民をそのように動かす出鱈目な噂を広めたのは、国民を装った暗殺者であったこと。
そしてその暗殺者を雇ったのは、ガルダであったこと。
ガルシアの暗殺も、ハンネル処刑を促すデマを誘導したのも、全てガルダの目論見だった。
そしてそんなガルダが求めているものは、国王の座。それを手に入れるにはハンネルの存在は邪魔でしかなかった。
いつからそんな計画を立てていたのかなんて当の本人だけが知ることだが、何にしろずっと信頼していた臣下に裏切られ、大切な人々を殺された悲しみは、産後でまだ本調子ではないハンネルを更に傷付けた。
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水飴(プロフ) - なつみさん» 初めまして、コメントありがとうございます〜！作者の私情の関係にもよりますが、いずれはどちらも書かたら良いなと思っておりますので、お楽しみにして頂けたらと思います！ (2022年9月16日 0時) (
レス) id: 4efe73e95e (このIDを非表示/違反報告)
なつみ - どっちもみたいです!!!! (2022年9月15日 20時) (レス) @page25 id: dfa30137f5 (このIDを非表示/違反報告)
水飴(プロフ) - さくにょさん» コメントありがとうございます！頑張ってどちらも書けたら良いなと思っています😌 (2022年9月12日 21時) (レス) id: 6a94704c3e (このIDを非表示/違反報告)
さくにょ(プロフ) - エース、コラさん・・。どちらも気になりますね・・！ (2022年9月12日 21時) (レス) @page25 id: 075aa05b66 (このIDを非表示/違反報告)
水飴(プロフ) - グエグエさん» 初めまして、コメントありがとうございます〜！私のやる気があればいずれどちらも書くと思いますのでお楽しみに...！ゆっくりと更新頑張ります！ (2022年9月12日 11時) (レス) id: 6a94704c3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水飴 | 作成日時：2022年8月20日 16時
