レベル42-past edition- ページ43
「私たちの赤ちゃん、早くお顔が見たいわ」
テラス席に座り、穏やかな春の風を浴びながら膨らんだお腹を撫でるハンネル。既に妊娠６ヶ月を越しており、辛い悪阻を乗り越えた彼女の愛情は益々大きなものとなった。
元々美しい容姿をしていた彼女だが、より一層その容姿に磨きが掛かったようである。
温かな空気の流れる空間に、突然悲報が飛び込んできたのは、ガルシアが血相を変えて部屋に入ってきた時だった。
「父上が、父上が＿＿＿＿＿＿＿！！」
元々年のせいか衰弱していた現国王が、急逝してしまった。国全体で葬式が行われ、霊媒師であるハンネルは身重の状態でありながらも国王の魂を弔った。神聖な儀式を終えた後、急遽国王の血を引くガルシアがこの国の新国王として即位したのだった。
しかし悲劇は終わらない。まるで王族を中心に国が壊れていくことを示唆する様だった。
国王急逝の哀しみを乗り越えた二人の元に、お腹の子が世界に姿を現す一週間前の夜、ガルシアが自室で亡くなった。死体を調べると、首には指の痕が着いていた。この事より、意図的な犯行による窒息死だと判断され、殺害した犯人探しが国中で始まった。
最愛の夫を喪った哀しみに暮れる暇もなく、ハンネルはお腹の子を産むことになった。城内では新たな命の誕生を喜びつつも、またもや国王が亡くなってしまった哀しみと、犯人がこの中に居るかもしれないという警戒心が剥き出しの状態だったので、異様な雰囲気を纏っていた。
一方で、犯人探しが行われている街の間ではとある噂が流れていた。
全くもって確証も無く、信じるにはあまりにも出鱈目な噂だったので国民たちは信じなかった。
「王妃ウィングバン·ハンネルが国王を殺害した」
あんなに愛し合っていた夫妻がそんなことをする筈がない。
二人とも国を想う優しい立派な人だから、そんなことは絶対しない。
そんな風に二人を庇う国民たちだったが、誰かが言った言葉に考えを変えることになる。
「なら、どうして国王ばかりが一年も経たない内に死んでいくのか」
王族ばかりに起こる不運な出来事。まさか国民が王族にそう易々と近付けるわけがない。
ならば王族に仕える者や、王と親しい間柄の者に選択肢は絞られるだろう、と。
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水飴(プロフ) - なつみさん» 初めまして、コメントありがとうございます〜！作者の私情の関係にもよりますが、いずれはどちらも書かたら良いなと思っておりますので、お楽しみにして頂けたらと思います！ (2022年9月16日 0時) (
レス) id: 4efe73e95e (このIDを非表示/違反報告)
なつみ - どっちもみたいです!!!! (2022年9月15日 20時) (レス) @page25 id: dfa30137f5 (このIDを非表示/違反報告)
水飴(プロフ) - さくにょさん» コメントありがとうございます！頑張ってどちらも書けたら良いなと思っています😌 (2022年9月12日 21時) (レス) id: 6a94704c3e (このIDを非表示/違反報告)
さくにょ(プロフ) - エース、コラさん・・。どちらも気になりますね・・！ (2022年9月12日 21時) (レス) @page25 id: 075aa05b66 (このIDを非表示/違反報告)
水飴(プロフ) - グエグエさん» 初めまして、コメントありがとうございます〜！私のやる気があればいずれどちらも書くと思いますのでお楽しみに...！ゆっくりと更新頑張ります！ (2022年9月12日 11時) (レス) id: 6a94704c3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水飴 | 作成日時：2022年8月20日 16時
