レベル26 ページ28
また物資が切れそうなので、とある春島に向かっていたのだが、どうやら様子が可笑しい。
島民が暮らしており、それなりに栄えているという話だったが、活気というものがまるで無い。
不思議に思いながらも船長の後に続き歩いていると、民家を見つけた。
かなり奥に歩かないと、海からでは一軒の家ですら目視できない場所に街があるようだ。
「······見ない顔だね。どこから入ってきたのか知らないが、早く此処から出ておいき」
それがあんたらの為だよ、と血色の悪い中年の女性が私たちにそう言った。
きっとこの島は安全で、海賊たちも、その噂もなかなか入って来ない所なのだろう。懸賞首の船長を見ても何も反応しないのが証拠だ。
理由もなく門前払いされるはずがないと踏み込んで、理由を尋ねようとした途端、女性が急に力なく倒れてしまった。慌てて体を支えると、思わず手を離したくなってしまうほどに熱かった。
「船長、この人熱があります！」
「おれが運ぶ。お前は先に病院に行って急患だと伝えてこい」
「はい＿＿＿＿＿＿＿っ！？」
街の方へと走り出そうとした時、視界に広がったのは道端で倒れている人々と半壊した家。
それと同時に噎せ返るような悪臭が鼻を突いた。煙と血の匂いが混ざったような感じだ。
(さっきまでこんな臭いしなかったのに······)
道端で眠っている人の傍には世話をしている人がついているが、どの人も顔色が悪い。
そして体の動きが可笑しい。まるで痺れているかのような＿＿＿＿＿＿
「っ、そこの人、今すぐ息を止めろ！今此処の空気を吸ったら動けなくなるぞ！」
ガスマスクを着けた人が私に向かって叫んでくる。慌てて鼻と口を腕で塞ぎ、周囲を観察していると、倒れていた人が全員苦しそうに唸り始めた。痙攣を起こしたように全身を震わせ、言葉にならない呪詛を吐き出すように声を上げている。
それが奥に聳え立つ一つの塔へと続く道まで続いているので、地獄までの道のりを歩いているような気さえする。
どう考えてもこの島は異常だ。
ガスマスクの男性に病院はどうしたのかと聞くと、もう医療機関も使い物にならないとの事。
病人は増える一方で、治してもまた再発する負の連鎖が続いているそうだ。
逃げたした医者や、同じく病気に掛かってしまった医者がいるため、もう健康状態で患者の世話を出来るのは指折り数える人数しかいないらしい。
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水飴(プロフ) - なつみさん» 初めまして、コメントありがとうございます〜！作者の私情の関係にもよりますが、いずれはどちらも書かたら良いなと思っておりますので、お楽しみにして頂けたらと思います！ (2022年9月16日 0時) (
レス) id: 4efe73e95e (このIDを非表示/違反報告)
なつみ - どっちもみたいです!!!! (2022年9月15日 20時) (レス) @page25 id: dfa30137f5 (このIDを非表示/違反報告)
水飴(プロフ) - さくにょさん» コメントありがとうございます！頑張ってどちらも書けたら良いなと思っています😌 (2022年9月12日 21時) (レス) id: 6a94704c3e (このIDを非表示/違反報告)
さくにょ(プロフ) - エース、コラさん・・。どちらも気になりますね・・！ (2022年9月12日 21時) (レス) @page25 id: 075aa05b66 (このIDを非表示/違反報告)
水飴(プロフ) - グエグエさん» 初めまして、コメントありがとうございます〜！私のやる気があればいずれどちらも書くと思いますのでお楽しみに...！ゆっくりと更新頑張ります！ (2022年9月12日 11時) (レス) id: 6a94704c3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水飴 | 作成日時：2022年8月20日 16時
