レベル11 ページ13
照りつける太陽、絶好の地上探索日和だ。
ただひとつ、私に起こった変化を除けば。
「······」
自分の小さくなった人間のものではない手を見る。柔らかな肉球にフサフサした獣毛。
随分と視線も低くなり、声を出せばニャー、という鳴き声しか出てこない。
言わずもがな、猫になってしまったのである。
物資集めに地上に上がったものの、大して個人的に必要なものは無かったので道草を食っていた。
最近薬に使える植物が載った図鑑(船長の私物)を見るのがブームになっていて、ついつい夢中になっていろんな植物を触ったり嗅いだり口に入れたりしたのが悪かったのかもしれない。
動物になる能力を持つ悪魔の実があるくらいだから、そういう植物があっても可笑しくはないけれど、何にしろこのままでは船に乗せて貰えないかもしれない。
(また船長に怒られるな······)
だからといってここでずっといても仕方がないので、一旦船まで戻ってみることにした。
*
*
「あ、猫だ」
「魚の匂いにつられてここまで来たのか?」
可愛いと言いながら私の前にしゃがむ見慣れた二人に何とか気付いて貰いたくて、必死に鳴いてみたものの伝わるはずもなく。シャチとペンギンに撫でくり回されていた。
「こいつ飼いたいな」
「諦めろ、キャプテンに絶対止められる」
「だよなー」
残念だけど、と言ってシャチの腕が伸びてくる。大体何をされるか察したので、その手を掻い潜って船の奥に全力疾走で駆けていった。今ここで船から下ろされるわけにはいかない。
数分後、案の定ちょっとした騒ぎになってしまった。
見つからないように動きたくても、出来る自信が無い。自分の部屋で隠れて待機していようとも思ったのだが、ドアを開けられない事に気付いて振り出しに戻る。
船長の部屋の辺りは人通りが少ないので、そこでどうにか隠れていよう。どこか部屋に入って隠れられたら一番いいけれど、贅沢は言っていられない。
(もう絶対に拾い食いはしないでおこう)
深く心に誓っていると、誰かの影が目の前に落ちてきた。
そしてひょい、とさも軽々しく体を持ち上げられた。
「なんだ、迷い込んだのか?」
「に"ぃ······」
一番
783人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
水飴(プロフ) - なつみさん» 初めまして、コメントありがとうございます〜!作者の私情の関係にもよりますが、いずれはどちらも書かたら良いなと思っておりますので、お楽しみにして頂けたらと思います! (2022年9月16日 0時) (レス) id: 4efe73e95e (このIDを非表示/違反報告)
なつみ - どっちもみたいです!!!! (2022年9月15日 20時) (レス) @page25 id: dfa30137f5 (このIDを非表示/違反報告)
水飴(プロフ) - さくにょさん» コメントありがとうございます!頑張ってどちらも書けたら良いなと思っています😌 (2022年9月12日 21時) (レス) id: 6a94704c3e (このIDを非表示/違反報告)
さくにょ(プロフ) - エース、コラさん・・。どちらも気になりますね・・! (2022年9月12日 21時) (レス) @page25 id: 075aa05b66 (このIDを非表示/違反報告)
水飴(プロフ) - グエグエさん» 初めまして、コメントありがとうございます〜!私のやる気があればいずれどちらも書くと思いますのでお楽しみに...!ゆっくりと更新頑張ります! (2022年9月12日 11時) (レス) id: 6a94704c3e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:水飴 | 作成日時:2022年8月20日 16時