partner 2

赤ちゃんとちゅー ページ23

ar side

きゅっと手を握ってやれば赤ちゃんのように握り返してくる。

『かーわぃ…』
起こさないように手を離して速攻でシャワーを浴びた。

髪も乾かさず、タオルを首に巻いた状態で寝室まで早足で向かう。

ドアの向こうから嫌な音がする。
えくっ、ひっ…とすすり泣き。
山田真っ暗は嫌いだから少しだけ明かりつけてたのになぁ〜…ダメだったか。

ドアを開ければベッドの上で女の子座りをしてえぐえぐと目をこすりながら泣いている山田。

『どうしたぁー、ほら大ちゃんここいるよ？』
「さっき…っおぎだら、だい、っちや…いながっ、だっ、……いなくなるの、やぁっ…ぅ〜」

元々寂しがり屋の山田にとって家で独りだった時がトラウマのようになっているの…か？
なんかいつもツンデレの山田が嘘のよう。

笑いは心の中だけにして山田を膝に抱っこした。

『ほら、こっち向いて？ちゅーしてあげるから』
「んぅ、…っん、へへっ」

してやったらにこにこと機嫌が良くなる山田。
もぞもぞと膝から離れるからどうした？と聞けば安心して気が緩んだのか暑くなったからシャワー浴びてくるとのこと。

その間に部屋に置いているドライヤーでぱぱっと乾かす。…男って簡単でいいな…
一応アイドルなんで乳液、化粧水も忘れずに。

ボフっとベッドにダイブすれば丁度よく上がりたてほかほかの山田が来た。
ぶかぶかな俺のシャツがよくお似合いで…
山田さん、右肩出てますよー！

『山田、ここ。おいで』
ぽんぽんと指した先は腕の中。
「んぇ、いゃ…でも…」
久々だから恥ずかしがってんのか。
『いいから、山田おいで？"come"』
「んぅー、もぅ！」

来たら来たで居心地良さそうにしている。
山田の柔らかい髪が腕に当たってくすぐったい。

『今日はゆっくり寝な、もう遅いし。明日も仕事だろ？』
「ん…ひる、からぁ」
『俺朝からだから早く出るな？出る前に起こすから』
「ん、ぜった…ぃ、だょ…」
『ん、絶対な』



2回目の寝つきはとても幸せそうだった。

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