可愛い？知ってるけど【HQ】

泣いて、泣いて。 ページ29

『徹先輩…』

「ってあゆかちゃん聞いたよねあれ！？

国見ちゃんとの会話！聞いたよね！？」


うわー嘘だろ〜〜、と言いながら悶えている先輩を見るといつの間にか罪悪感は消えていた


『徹先輩』

先に言ってやろ。

私は最後までずる賢いから


『好きで「だめ！」』

『えっちょ、なんで遮るんですか！今良いところでしたよね！？』

「だめったらだーめ！俺から言うの！そういうのは！わかった！？」

『全く…わかりましたよ、ほら、聞いてあげます』


ほんっと上から目線、可愛くねえー、、とボヤきながらも、先輩の顔は


『先輩、めっちゃにやけてますね』

「うるさいな！？！？別にあゆかちゃんと両思いだって分かったから嬉しくて表情筋ゆるゆるってわけじゃないから！」

『丁寧な説明ありがとうございます』


徹先輩は一息ついてから言った


「あゆかちゃん。
君は生意気だし性格悪いしずる賢いし性格可愛くないし強気だし『ちょっと待て、いいところが１つも聞こえてこないんだが？』黙ってなさい『うっす』、全く、そういう口挟んでくるところもあるね！…でもね、あゆかちゃん俺は君の、そんなクソみたいな『クソ！？あっはいすみませんでしたはいはい』……良いところだったよね！？」


『いいところとか知るか！！その言葉さっきの先輩にそっくりそのまま返すわ！』

「可愛くねえ！！」

『可愛くなくて良いですう！我は可愛くない後輩代表なんでえ！』

「俺の彼女になるんだから可愛さ身に付けなさい！」

『…！！不意打ちずるい！』

「可愛い」

『やめ』


一番聞きたかった声。言葉。

“だいすき”が溢れだして、もう制御できそうにない……。


「好きだよ」

『私は違います、大好きです』



「え、何、じゃあ俺は愛してる」

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