【逆ハー】ロマネを弁償してもらってないんで、奴等を避けようにも避けられない〜第二章〜【名探偵コナン】

79本のロマネと心配の色 ジンside ページ48

原から仕入れた情報によれば、確かにシェリーはこのビルにいるらしい。

パーティに出席するか否かなんざ知らねぇが、前もって準備をするに越したことはない。


…俺は、回数をわけて女とガキ、老人がエレベーターで降りてくると思っていた。

しかし、乗っているのはガキと老人だけで、女の姿はない。
ウォッカからの報告によれば、女も階段を使っているらしかった。


…何故だ？火が移る速さが不明な分、上で待つ人間を減らしたかったのか？

ならば説明はつく。
しかし、ウォッカからシェリーらしき人物を見たとの報告はない。


…ならば考えられることは一つ。



あいつはまだ上にいる。



そもそもパーティにすら来ていないのかもしれないが、念には念を、だ。

…ん？

クク、エレベーターが上がってやがる。
やはり一部の女は後に回して、二回に分けてエレベーターを使う算段だったってことか。


「…上等だ。………っ…？」


銃を構え直すと、途端に信じられないものを見てしまった。


「(人1)、A…！？なぜあいつがここに…！」


よく見てみると、気絶していると思わしき女を膝枕し、ガキを一人連れている。

気絶している女はシェリーではないようだし、ならばまだ奴は上に残っている可能性が高い。


…一先ずあいつが避難してから、A塔は爆発させてもらおうか。






＊






あいつの避難が無事に終わったようで、少しほっとする。
そして、安全だと思われる場所に移動したのを見届けたあと、俺は躊躇わずにスイッチを押した。


…眠れシェリー。永遠にな。



銃をしまったあと、ウォッカに電話をかける。

「…ウォッカ、死体の確認ができねぇから奴が死んだ確証がない。引き続きシェリーを見つけ出すようにはしろ」

ウォッカ『了解。しかしアニキ、スイッチを押すタイミング、少し遅くありやせんでしたかい？』

「…(人1)が…女を膝枕していたからな。 避難させてやった」

ウォッカ『ええっ！？姉貴が来てたんですかい！？』

「ああ。これはじっくり問いたださねぇとならねぇな。何せ膝枕なんてして相手を心配する余裕すらあったようだからな」

ウォッカ『は、はぁ…？』


ﾋﾟｯ



…ちっ、今日の風は気持ちよくねぇ。


お気に入りの煙草をふかして、俺はビルを後にした。









＊









ウォッカ「アニキ…やたらと膝枕を気にしてやしたね…姉貴の膝枕が羨ましいんでしょうかね…」

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