How about you? ＿2nd

大丈夫だから ページ4

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翔平side







開けたステージからは、程よく雲のある晴天が広がる空も、俺たちのタオルやグッズを持ってくれている人も、全部全部よく見える。

フェスだから、自分たちを目的としていない人も当たり前に沢山いて、俺達のことなんか目もくれていない人だってよく見える。

そんな人にも俺達の想いが伝われ、って気持ちを込めて全力でパフォーマンスして。

さっきまでケータイにじっと目を落としていた人が、顔を上げて小さく音に乗ってくれていた時、俺はすごく嬉しくなるんだ。


…さて、この曲が終われば、もうすぐ俺がアクロバットする曲。


今日のリハも、直前に何度も確認した。

それでも、曲の終わりが近づくにつれて、少しずつ緊張の波が迫ってきているのが分かる。



…おかしいな、
幾度となく跳んできたアクロバットは、毎回それなりに緊張するものではあったけれど、今日がいちばん怖いと感じているなんて。

踊る指先が小さく震えだした。

なんで、今、

リハも跳べた。大丈夫だ、
これだけのために、俺はこの二週間の全部をつぎ込んで残してもらった大事な俺の見せ場。

失敗するわけには行かないから、

アクロバット前の最後の移動、不意に誰かに肩を叩かれた。



『樹…』


ほんの数秒がまるでスローモーションのようにゆっくりに感じる。

樹は俺の目を見て、ただ一言、



"大丈夫だから。"



そう小さく、だけど力強く頷いて、また目の前のお客さんに視線を戻して踊り始めた。

他の誰よりも、自分に言い聞かせるようなそれよりも、ずっとずっと、心が落ち着いた。

うん。


…もう、"大丈夫"。









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ありがとう→←Are you ready？

作者の呟き

リンクちゃんと貼れてなかったごめね

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