嫌気 ページ49
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翔平side
ビュッと飛び退いてしまった俺に、さすがにちょっと驚いたような顔をする樹。
樹「いや、そこまで逃げられると傷つくわ、」
『あ、っと…ごめん…?』
謎に謝ったが、別に俺謝るようなことしてなくね?
樹「で、まだ跳ぶ?」
『え、うん。』
そう、とだけ返事した樹がやっぱりどこか掴めないのは今も昔も変わらない。
あれ?こいつ、2人っきりなのあんまり気にしてない?
そのまま立ち上がって水を飲みに行ってしまった。
その姿に、2人だから何かされるんじゃないかみたいな勝手な想像をしていた自分がすごく恥ずかしくなる。
あくまでも練習中になんてことを…
っ、別に変な期待してたとかじゃないから!
羞恥心から赤くなる頬をぎゅっと抓り、俺も敷いてあるマットの方へ歩き出す。
ぐっと伸びをして、もう軽くストレッチを始めた樹に見守られながら、また練習を再開した。
『っだぁあっ!駄目だ、んでだよ!』
樹「落ち着けよ。さっき田口くんに言われたとこ、もう忘れた?」
『っ…分かってるよ…』
樹「全然わかってない、後ちょっとなのに。」
『…、』
樹「ほら、ちょっと休憩しようよ。」
『…うん。』
…分かってるんだよ、樹には少し悪いけど、撮ってもらってた動画を見なくてもわかるぐらい、合っていないところは俺にも明確で。
だからこそ嫌気がさす。
頷いたくせにそこから動こうとしない俺の手を優しく引いて、俺の水がある所まで連れていく樹。
まるで自分が子供になったみたいに座らせられて、水を手渡された。
…あぁ、今、すごく自分が嫌い。
俺のこんな練習に付き合わせてる樹にも心底申し訳なくなって。
樹は俺の事を好きだと言ってくれるけれど、そして俺はその返事をはぐらかしているくせに、これ以上惨めな姿を見せれば嫌われるんじゃないか、って。
…はぐらかしてるのに嫌われたくないとか、馬鹿で身勝手で、やっぱり自分が嫌い。
『樹…もう帰ってもいいよ?』
だからつい、そんなことを言ってしまった。
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作者の呟き
2ndへ続く…
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苺くぅ - はい!気長に続きをおまちしております。 (2020年10月5日 20時) (レス) id: 079e87463c (このIDを非表示/違反報告)
白湯(プロフ) - 苺くぅさん» ありがとうございます。とても嬉しいですし励みになります。これからもお読み頂けるととても嬉しいです。どうぞご贔屓に。 (2020年9月30日 23時) (レス) id: d5016db2f4 (このIDを非表示/違反報告)
苺くぅ - 面白ろ過ぎます!! (2020年9月30日 18時) (レス) id: 079e87463c (このIDを非表示/違反報告)
白湯(プロフ) - 佐藤 友菜さん» やはりやましょーさんを重要な役に置いてしまう作者です。オンラインライブかっこよすぎたので更新頑張ります (2020年9月21日 6時) (レス) id: d5016db2f4 (このIDを非表示/違反報告)
りー - はい、読み続けます。もうーハマってしまいました(笑) (2020年9月21日 1時) (レス) id: 30b38fa8ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白湯 | 作成日時:2020年6月14日 7時