【合作】僕らに朝は来ない。

第43話 by カルク ページ43

side 津嶋 司

誰かさんがサボった分の資料を片付け一息つく
そういえば最近色んな看守達がなにか見つけたようで楽しそうなやつもいればなんか悪巧みしてそうなやつも見かける

「面倒事にならないといいって願えば願うほど面倒事になるのはなんなんだ…」

ふと時計を見ると処刑の時間だった
今日処刑するやつに何があるのか敢えて聞いてみるか、カマをかければ言ってしまうやつもいるだろう

廊下に出て、いつもの場所に向かう途中、数人だが罪人が集まっているのが見えた

「あいつらか…？なんか変なこと起こそーとしてんのは…」

聞きたいが時間が勿体ないので聞かない
つか早く行かないと俺が上司のお怒りを受けかねない
めんどうなことは嫌と言ったが、どうしても内容が気になる、そんな好奇心のなか処刑用の場所に向かう

そこに行けば罪人が既に来ていた

「珍しい、自分からちゃんと来る奴がいるなんてな…」

「…………」

何も喋らないやつに嫌気がさす
これじゃ聞きたいことも聞けないだろ

「おい、お前生きてる？おーい？」

「………」

よく見ると涙を流しているようにも見えた
もしかして脱獄の糸口でも見つけたけど処刑が来てしまって……とかそういう感じか？

「なんも喋らない罪人さんよ、ここから出る方法はもう1つあるだろ」

顔を上げる罪人が脱獄のことを考えてたのは分かった、これは全く喋らなかったこいつが悪い

「処刑執行、さようなら」

…………そいつがその言葉を聞いた時の顔は、絶望しかなかっただろう
まあ俺には関係ないんだが

「さて、血が飛んだな、着替えてから少し見回りでもしようか」


夜の国から出ようとする罪人には少し興味が沸いた
話でも聞いてみようか

……カマかけ結局しなかったな

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