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五十 “〃 (2)” ページ8

精神的に参ったギャングの仲間達は、密告の疑心暗鬼にかられお互いを撃ち合い、早々にこの逃亡劇から退場したとの報告があった


だが彼はひとり逃げ続けた
マフィアの追跡部隊の動きを事前に掴み、相手の裏をかいて、只管にヨコハマの街を逃げ続けたのだ


その期間、実に六ヶ月


ヨコハマを知り尽くしたマフィアの追跡部隊を六ヶ月もあしらい続けるなど、政府諜報員も真っ青の手腕だ


恐らくマフィアの情報網を逆に(つか)んで利用し、ある場合には誤情報を流して相手を混乱させたのだろう



だが、その命運もいつかは尽きる………




『それが“今”だ』




カツカツと革靴が地面を蹴る音が地下水路によく響き渡る
段々と近付いてくる音と共に、ぼんやりと姿(シルエット)が浮かび上がった


前髪を掻き上げ、丸眼鏡を掛けた口元の黒子が特徴的な彼を見て私は自身の口角が上がるのが判った




『お待ちしていましたよ、“坂口 安吾”さん』




後ろばかりに気を取られて前方に居た私に気付かなかった彼はハッとした表情で私を凝視した
慌てて逃げ出そうとするが私の異能によってその場に倒れ込む




「何故足が…!」


『大丈夫ですよ、危険なモノは何一つ貴方に投与していません』




唯、足の感覚を無くした様に錯覚させているだけなので身体には何の影響も無い
一歩一歩ゆっくりと彼に歩み寄るが彼は感覚の残った手だけで後退った
余程緊張しているのか顔が強ばっている


そんな彼に私は安心させる様にニッコリと微笑みかけた




『初めまして、私の名はAと申します』


「ああ、貴方がかの有名なポートマフィアの隻眼の使用人ですか」


『そんな風に私は呼ばれているのですね』




隻眼…ああ、眼帯のせいか
別に視力は以前と何も変わっていないので、相変わらず善いのだが……っと、そんな事は今はどうでもいいな


此方をジロリと睨み付けている彼は何処か友と面影が重なる
それもそうか、友はこの世界でいうと目の前の彼と同じポジションに居たのだから


過去を思い出していた為に少しの間、沈黙していた私に彼が問いかけた




「で、僕を此処で消すつもりですか」


『いえいえ、招待状を渡しに来ただけですよ』


「死への招待状ですか?」




自嘲した笑みを浮かべる彼に私は苦笑した
そこ迄警戒しなくても大丈夫なのだが…無理か




『動けない足に周囲に控えている追跡部隊。之だけ情報を云えば聡明な貴方であれば何が最適解かお判りですよね?』

五一 “〃 (3)”→←四九 “とある電脳潜士 (1)”



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設定キーワード:文豪ストレイドッグス , トリップ?転生?? , 原作アニメごちゃ混ぜ   
作品ジャンル:恋愛
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黒龍(プロフ) - りーこさん» 有難う御座います!頑張って続き書いていきますね (6月24日 12時) (レス) id: 9b97ad947e (このIDを非表示/違反報告)
りーこ - 続きが楽しみです (6月24日 6時) (レス) id: 140e75a81a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒龍 | 作成日時:2019年6月21日 21時

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