【紺青の拳】探偵と怪盗の正体を知っている女子高生３（完）

第97話 ページ8

快｢レオンがその日、プールサイドの宿泊者専用のレストランに入るためだけに取った部屋は34階だった。
そして、下りてきたレオンはその部屋でシェリリンさんを刺殺。死体をトランクに入れた。
シェリリンに変装したレイチェルと、スーツケースを持ったレオンは部屋を出て、別々のエレベーターに乗った。｣

A｢トリックに使われたのは、マジックナイフの1種だと思います。あらかじめ服に切れ目を入れ、衝撃で柄と血が出るよう仕組んだ。
もちろん血はシェリリンさん本人の物です｣


快斗からすれば、マジックともいえない簡単な仕掛けだろうな


快｢刺されたフリをしたレイチェルは倒れる。その直後、地下駐車場の車が爆発して、ショッピングモールはパニック状態になった。
レオンは逃げ惑う人々に殺人現場が踏み荒らされるからと、死んだフリをしているレイチェルに布をかけたんだ。｣
快｢そして人気がなくなった頃、レオンの合図で起き上がったレイチェルは変装を解いて外に出た。
そしてレオンはスーツケースに隠したシェリリンの遺体を床に寝かせて、布をかけ直した。全ては爆発による停電の中、人知れず行われた｣
リ｢そ、そんな…｣


力なく呟くリシさんを、新一は隣で見上げた。


快｢レオンの真の計画を知ってしまったレイチェルは、その恐ろしさに毛利探偵に一切を打ち明ける気でいたんだ。それをレオンに気づかれた｣


快斗は海の方へ歩き、私と新一も続く


リ「彼女はキッドが殺したんじゃ…｣
A｢それは違うよ、違うんです｣


私は立ち止まり振り返った。


怪盗キッド＿＿＿快斗に無実の罪を擦り付けたくない。
誤解されたままは絶対に嫌だ。


A｢金庫室に来たレイチェルさんは、キッドの変装です。
キッドも利用されたんですよ、レオンさんの…いや、レオンの計画に…！｣


あんな非人道的な人間に敬称を付ける必要はない


A｢本物のレイチェルさんは既に殺され台座の中に押し込まれていた。キッドが再び『紺青の拳』を盗みにやってくると読んで、アリバイ工作と事件をキッドの仕業に見せかけるために｣
リ｢そんなことがどうして…｣
新｢じゃあ、リシさんだったら誰に変装すれば安全だと思う？｣


新一の問いに、リシさんは｢そうだな…｣と考え始めた。

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