【紺青の拳】探偵と怪盗の正体を知っている女子高生３（完）

第127話 ページ38

ジャ｢うおおおおぉ！｣


右足を高く振り上げ、京極の脳天に向けて高速で振り下ろす。
ジャマルッディンの踵が京極の頭を打つ寸前、京極はサッと躱した。

振り下ろされた踵が床を打ち砕く。
ジャマルッディンは咄嗟に体を起こして辺りを見回すが、先ほどの砲撃から生まれた煙で回りが見えない。


ジャ｢《どこだ！？》｣


すると、前方の煙が膨れ上がったかと思うと、全身に闘志のオーラを纏わせた京極が煙の中から飛び出してきた。


京｢うおおおおぉらああああぁ！｣


京極はジャマルッディンの腹に右拳を深く食い込ませた。
大きく吹っ飛んだジャマルッディンの巨体が、ユージーンと海賊達をなぎ倒していく。


＿＿＿この勝負は京極に軍配が上がった


園｢う、うぅ、うあああん｣


一部始終を誰よりも近くで見ていた園子は泣きながら京極に抱きついた。
それに応えるように京極が優しい目で見つめた。


そのとき＿＿＿


コ｢京極さん！何かに掴まって！｣


声がした方を見てみるとコナン、蘭、小五郎そして、Aが階段の手すりに掴まって立っていた。


前方に傾いたスカイパークは激しく揺れ、速度を増しながら前へ進み続けた。
プールエリアのデッキチェアが傾いた床を滑り落ちていき、プールの水も滝のように流れ落ちていく。


3棟のホテルに跨っていた屋上は、タワー１、タワー２からも離れ、ついにタワー３だけに乗っている状態になった。


マーライオン・パークそばの道路でアイダン警部補やジョンハンが見つめる中、スカイパークは轟音と共に一気に滑り出し、タワー３からも離れ、巨大な船は夜空の海原を飛んだ。



Aside＿＿＿

恐らくスカイパークがビルから離れた。
新一や蘭ちゃん、おじさんや園子ちゃんを背負った京極さんは手すりやポールに掴まり空中に放り出されないように必死に耐えている。

私も怪我した腕に無理やり力をいれて必死に階段の手すりに掴まっていた。


A｢やばい！｣
蘭｢Aちゃん！｣
新｢A！！｣


うまく力が入らず手すりから手が離れてしまった。
空中に放り出されスカイパークの後を追うように落ちていく＿＿＿


A｢助けて…快斗！！！｣


新一たちがいるのにも関わらず思わず本名で叫んでしまった。

手を胸の前で握り、目をギュッとつぶっていると、遠くの方からプロペラの音が聞こえると、先程までの浮遊感がなくなった。

第128話→←第126話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す