【紺青の拳】探偵と怪盗の正体を知っている女子高生３（完）

第111話 ページ22

リ｢僕も最初は事故だと思っていた。だか、親父の遺品整理をしていて気づいたんだ。
親父は海底遺跡を調査中偶然、海賊王の証『紺青の拳』が眠っている可能性の高い沈没船を発見したんだ｣


すると、リシはレオンを睨みつけ。


リ｢だからまず親父を殺害したんだろ。先に宝石を引き上げさせないためにな！
正義感の強い親父なら必ず助けに入ると読んでな！｣


その言葉を聞いて、禮次郎は青ざめた。


5年前＿＿＿
レオンとボートに乗っていた禮次郎は、酒を煽りながらボートを操縦していた。
そして泥酔した禮次郎は、リシの父親が溺れた人を助けに海に入ったところに、ボートで突っ込んでしまったのだ。


禮｢ど、どういうことだ。レオン、お前…！｣


禮次郎はレオンの胸ぐらに掴みかかった。


レ｢離せ！｣

レオンがアタッシュケースを振り回し、禮次郎を殴りつける。
倒れ込んだ禮次郎を冷めた目で見下ろし、乱れたスーツを整えた。


レ｢リシくん。君は誤解をしている。父上を殺害した犯人は刑務所へ…｣


リシはレオンを睨みつけ、話を遮った。


リ｢親父の死に疑問を持った僕は、この国でアンタに弟子入りして、予備警察官になった。そして事故について調べ始めた。
まず弁護を担当したシェリリン・タンに近づき、禮次郎の件をネタにレオンを強請(ゆす)らないかと持ちかけたら、あっさり教えてくれたよ｣
レ｢あの女…！｣
リ｢そして、レイチェル。そう、彼女を通してお前達の情報は全て筒抜けだったのさ！｣

レ｢ならば、キッドの予告状を貼ったのはなぜだ？｣
キ｢教えてもらおうか｣

リ｢『紺青の拳』、そして身に覚えのない殺人事件。この二つをぶら下げれば、怪盗はきっと来る。そして、お前達の計画を邪魔してくれる。あの高校生探偵の登場は予定外だったが、しっかりと役目を果たしてくれたよ｣


レオンは悔しげに唇を噛んだ。
すると、倒れ込んでいた禮次郎が上半身を起こし、縋り付くような目でジャマルッディンとレオンを見た。

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