【紺青の拳】探偵と怪盗の正体を知っている女子高生２

第88話 ページ43

快斗(怪盗キッド)side


カフェを出たオレたちは世界最大級の噴水『富の泉』の前に来ていた。
階段に腰を下ろす。


快｢で、昨夜の収穫はあったか？名探偵｣
新｢ああ。リシさんの家で見た捜査資料によるとこうだ｣


・シェリリンさんはエレベーター内で刺されたのではないか？
・証拠になる防犯カメラは車の爆発により停電で記録は残っていない
・レオンは、シェリリンさんの分の部屋も確保していた
・現場に居合わせたレオンの所持品であるスーツケースを調べるも中身は空であり、不可解な点も見当たらなかった
・そもそもレオンには、別のエレベーターから出てきたという目撃証言がある


快「証言が全て本当だとすると、犯人はだいぶハイリスクな行動をしていることになるな」
新｢わざわざエレベーターの中で犯行に及ぶメリットは無いからな｣
快｢下手すれば逃げ場が無くなる｣


そもそも大勢の人が行き交うショッピングモールやホテルで刺す必要性を感じないがな


新｢彼女が刺された際にレオンの目撃情報が多数あった」
快｢アリバイが確認されたため、捜査線上から外された…｣
新「おまけにスーツケースも修理してもらったお店から引き取った直後だったため、中身は空。お店にも確認済みだ」
快｢アリバイは完璧、か｣


少し完璧すぎる気もするけどな


快｢ずっと気になってるのはオレの予告状が現場に残されていたこと…オレを巻き込む必要がどこにある？｣
新｢しかも、わざわざ血糊を塗ってまでな…。それは犯人に聞かないと分からないな｣
快「だよな」


文章の作り方からして相当予告状の研究をしたんだろう
青子のお父さんもアレならきっと騙されたかもしれない


新｢んで、レイチェルさん殺しの罪もお前に着せようとしている。凶器のナイフはシェリリンさん殺しのときと同じものだった｣
快｢レイチェルさんはオレが金庫室に入る前から台座の中に入れられていた。だか、部屋に入るには警備員や幾つもの防犯装置を突破しなくてはならない｣
新｢警備の目をかいくぐり、センサーに触れずに侵入できる者…｣


名探偵はオレをチラリと見た


快｢いやオレじゃねぇよ｣
新｢冗談だ｣

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