【紺青の拳】探偵と怪盗の正体を知っている女子高生２

第73話 ページ28

A「ﾊｧﾊｧ どこにいるの？」


悪い予感が当たらないことを願いながら走り回る。

ふと横の通りを見ると大きい木の箱が無造作に転がっていた。
乱闘騒ぎでもあったのだろうか…
吸い込まれるようにその通りを歩いていくと空薬莢が数個落ちていた。


A「これ、本物だよね？まって、これ血痕よね、まさか…！」


震える手をギュッと握りしめながら点々と続く血痕を追っていくと海が見える細い路地裏にたどり着いた。
まだ続く血痕
1歩1歩足を進めた先にいたのは


A「…！？快斗！！」


快斗が壁にもたれかかった状態で倒れていた。


A「快斗、ねぇ快斗？起きてよ！ヤダよ、ねぇ快斗！」


死んだらどうしよう…この国じゃ快斗の姿で治療は受けられない
怖い、怖い、これ以上大切な人が居なくなるのは…
どうしよう、涙がボロボロと出てきた。
すると


快「うっ……痛ぇ…A？…A！？」


快斗が目を覚ました。


A「か、いと、快斗…あぁ快斗ぉ」
快「うおっ！な、泣くなよ…」
A「よかった…よかった、ホントに」
快「心配かけて悪いな…。！？」
A「少しだけ…少しだけ、このままでもいいかな…」


怪我した肩に負担がかからぬよう、そっと寄りかかり快斗の体温を感じていた。
細い路地裏に私のすすり泣く声が響いた。

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