ハーシェルの連星 (ページ41)

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ギリギリと、痛いくらいに手首を掴まれ、

下着ギリギリのラインへと唇を当てられる。

艶かしい音が鳴り、

また一つ、龍也の印が付けられる。

龍也の喉仏に並ぶホクロをなぞっては、

夜空に浮かぶ星を見つめるよう、

手の届かない焦燥感に、苛まれる。

「龍也に、触れたい………」

私が切なくそう漏らしたら、

ゆっくり、躊躇いながらもその白いTシャツを抜き取ってくれた。

鍛えられた逆三角形の肢体に、胸を埋めた。

龍也の体温は心地良かった。

右胸に隠されていた、一際目立つ二連黒子。

伴星を引力で惹きつける主星のようなエネルギーに、

思わず、吸い寄せられるように唇を合わせる。

紅く染まった一帯ごと指でなぞっては、

「双子星みたい」

そう言うと龍也は穏やかに見つめてくれた。

「……授業で習ったの？」

「うん」

龍也は生物、私は地学を専攻していた。

「俺たちみたいだね。いつも一緒にいられる」

優しい想いがまた、瞼から唇へと重ねられていく。

「Aも暑いから脱ぎな」

そう言ってパーカーごと剥ぎ取られて、

キャミソールから出た私の両腕を、龍也は愛しそうに持ち上げ撫でてくれた。

「……ここにもあった」

二の腕の裏側、脇の近くにまた一つ、

小さな黒点を見つけられる。

「大好きだよ」

甘い声と共に、抱き締めてくれる。

「私も、好き………」

その瞬間私は、龍也の顔中に浮かぶ星空のような輝きを眺めていた。