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束縛型ヤンデレ:縁下力

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「ごめん、俺束縛しちゃうかも」



付き合ったその日、彼は自分からそう言った。

その言葉に私は 嬉しい と答える。


今思えば馬鹿なことをしたものだ。



「A、ちょっといい？」



それは昼休みのこと。

友達と話していた時、縁下に呼ばれ彼の後ろをついて行った時だった。


人気の無い場所で壁に押し付けられハッと顔を上げる。


真剣な顔をした彼を見て頬がポッと赤くなり、目をそらした時、



「あのさ、あんまり話さないで」

「……え？」



口から出たのは甘いセリフでもなんでも無い、ただの 束縛 する言葉だった。



「えっと……なんで？」

「俺が嫌だから」

「え、でも無理だよ、友達関係だってあるし…」



彼からの無茶振りに内心焦る。

だって話すなって……生きていく中で絶対に無理なことなのに。



「……無理？なんで？俺最初に言ったじゃん。束縛しちゃうかもって」

「や、でも！それはっ、」

「嬉しいって言ってたのに……あれ嘘だったの？」

「違、」

「それとも俺のこと嫌い？だからああやって見せびらかすように話してた？」



被せるように、淡々と話していく。

感情のない虚ろな目に低い声は今の私にとって恐怖でしか無かった。

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