恋の病。 2 【黒尾鉄朗】 (ページ1)

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想いを伝えてから数日経った

Aの記憶に俺は戻らない

本当に俺「だけ」を忘れているようで、他の奴とは普通に話してる

…俺も、前はああやって普通に話してたのに

でもAに恋した事を後悔したくなかった

だって、本当に好きだから

「Aおはよ」

「あ、おは、おはよ……」

…話しかけても他人行儀で違和感しかない

呼び方は元々「黒尾くん」だったけど……

「今日も一日頑張ろうな」

「あ、うん、頑張ろうね」

声なA、話し方もA、見た目も全てがAのに

空っぽのAと話してる気にしかならなかった

「おーす黒尾。大丈夫か？」

「ん？辛いわ～」

「……直す方法って、ほんとに無いのか？」

「わかんねぇ。だってまさか本当に病気かかるとは思わねぇし」

でも一応昨日調べたんだよな

でも「治す」なんて、そんな情報はサッパリない

「……俺がAじゃない誰かを好きになったら戻るのかね」

「…わかんねぇけど、それはそれで良くない気がする」

「俺だって嫌だよ」

今はAが好きで、Aだけを想っていたい

他の子に目移りなんてしてる場合じゃねぇんだよ