No.08 桃色へ告白… ページ8
〆．
ノートの切れ端に、
『放課後、教室で待っていてください。』
というメッセージと自分の名を書き、ドキドキしながら小瀧先輩の靴箱へ。
それが全ての始まりだった。
「………小瀧先輩、いますか？」
体育祭でリレーのアンカーを務め、一位でゴールした時のあの輝いた顔に一目惚れした。
だから先輩のことはよく知らないし、
遠目から見てかっこいい人と思っていただけ。
安易な動機に、顔をしかめる人もいるだろう。
そんなのは恋じゃない、と。
だけど私は告白しようと思ったんだ。
玉砕してもいいから。
なのに。
「……………………あれ、」
もしかしたら、玉砕すらできないかもしれない。
小瀧先輩の教室には、
誰もいなかった。
「…………だよね」
知らない奴からの、明らかに用件がわかるメッセージ。
帰ってしまったのだろう。
落胆し、振り返ったその時だった。
「帰るん？」
「あ………」
教室の入り口で、私の恋した先輩が、
なぜか、
私のジャージを身にまとって立っていた。
「理解が追いつかないです」
「ああ、色々あってん。で、何の用やったん？」
「言いたいことがあったんですけど、それ以上に言いたいことがあるのでそっち言いますね」
「なに？」
なんでこの人、こんなに少女漫画のSキャラみたいに余裕ぶってるんだろう。
「なぜ私のジャージを着ているのですか？」
「なんでって。本能やろ」
「どんな生物でも、他人のジャージをわけもなく許可も取らず着ちゃうことはしません」
「今日体育あったの知ってたから、におい吸い込んでる」
「実況しなくていいんですよ」
もしかして。
私は、恋をする相手を間違えたのではなかろうか。
「本来の用件も聞きたいんやけど」
「終わりました」
「嘘やん！？」
よく見たら、体育の時だけくくる用にってジャージと一緒に入れてたシュシュ、つけてる。
「先生に言って大丈夫ですよね」
「はあ！？なんでなん！？ありえへんやろ！」
「こっちのセリフです、なんでキレてるんですか」
「俺からAちゃんのにおい取んなよ！！泥棒やぞ！？」
小瀧先輩は意味不明だった。
ただし、この瞬間に消えたはずの恋心は、
数ヶ月後に私たちを恋人へと発展させていった。
「念の為聞きます。先輩って私のこと好きなんですか？」
「入学した時から狙ってたから」
「………ジャージを？」
「ジャージと制服含め」
「制服！？」
〆．
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ユニコ(プロフ) - ありがとうございました！ めっちゃ完璧で良かったです (2019年12月8日 15時) (
レス) id: d962cdde80 (このIDを非表示/違反報告)
アイオライト - No29-31をリクエストした者です！最高でした、特に31は兄弟設定がベストオブベストでした…ありがとうございました！これからも応援させていただきます…！ (2019年12月2日 19時) (レス) id: dcdc3602ad (このIDを非表示/違反報告)
のら - はゆなさん、いつも読んでいます！更新、とても楽しみです＾＾ (2019年11月15日 11時) (レス) id: 1a62da02fe (このIDを非表示/違反報告)
はゆな(プロフ) - うらぬす。さん» ええええ！うらぬす。様！コメントも、読んでいただけてることも嬉しすぎて泣きそうです……ありがとうございます！そして勝手にお名前出しちゃってすみませんでした。私もうらぬす。様を応援し、更新楽しみにしておりますので…！ (2019年11月10日 15時) (レス) id: 0477dc60f8 (このIDを非表示/違反報告)
うらぬす。(プロフ) - いつも作品読ませていただきます…！オススメされてると聞いてすっ飛んできました(*´-`)まさかいつも読んでるはゆなさんから読んでいただいてると知らずお恥ずかしい限りです…！これからも影ながら応援させていただきます！ (2019年11月10日 14時) (レス) id: 3c9d0a7e5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はゆな
| 作成日時：2019年10月21日 18時
