Second Opinion

No.03 橙色とお箸 ページ3

〆．



「Aって、箸の持ち方綺麗やな」

「そう？ありがとう」



………と、急に照史が褒めるから、嫌な予感はしてました。



「ちょっと俺の唇、箸でつまんでくれん？」

「何言ってんの？」

「こう、上唇と下唇挟んでな？ぱくって。ぱくってしてほしい」

「日本語通じてる？」

「でも食べへんねん。空振りしてほしいねん！」

「なにそのむっずかしいし何のメリットもない要望」



照史は早く早くとせがむ。

箸で照史の唇を挟むのね？それはわかる。

意味はわかんないけどまあ想像はできる。

なに？ぱくって。

ぱくぱくしとけばいいの？

鯉の餌やりみたいになってない？

私が鯉じゃん。



「とりあえず、はい」



なんかよくわかんない感覚を覚えつつ、お望み通り。

………いや、ほんとに何これ。

それから、ぱくぱくもしてみた。



「はああっ、ゾクゾクする♡食べられそうで食べられへんこの感じ！♡」

「ド変態が」



ちなみに唇挟んでるから、なんかもごもごした喋り方。

これで満足なんだ。へぇ。



「……………ぱくっ」

「！？！？」



わざとらしく照史の唇を食べてみれば

(食べた、だからね。触れたとかじゃなくて)



「箸に挟まれながらぱっくん最高〜♡♡」



なんて言い出したので

そろそろしばこうと思う。



〆．

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