Second Opinion

No.11 赤色は目覚まし時計 ページ11

〆．



「おはよ♡」

「これは夢だこれは夢だこれは夢だ……」

「どしたん？寝坊助さんやな？」



何が楽しいのかわからないけれど、ニコニコしながら私に覆いかぶさってる奴。

※現在時刻は深夜2時。



「寝坊助っていうより普通に眠いよ、何か用？」

「肝試ししよ」

「お前のせーへきに付き合ってたら体力持たない」

「なぁんで！！」



なんで？は？わかんないの？



「毎週土曜の深夜2時に荒い鼻息で起こされた挙句、ただ玄関から部屋全部回って一周するだけの超意味不明な肝試しで興奮するお前に付き合ってたら体がしんどいの。わかる？」

「わかる、行こ！」

「てめぇ……」



なんだかんだベッドから出てしまう私にも非はある。

ごめん、明日の自分。昼前まで寝てていいよ。



「はあ、最高。ほらこっち」

「私、霊感ないし幽霊とか怖くないからほんとにどうでもいい時間なんだけど」

「俺も一緒！気ぃあうな？やっぱりやりながら回る？」

「ふつーにベッドの上で誘ってくれない？」



肝試し終わったあとは、興奮の醒めない大毅に襲われるのが鉄板。

何に興奮するの？おかしいでしょ。



「まず俺の部屋。ちゃんと掃除したから大丈夫やでー」



電気もつけずにぺたぺた歩く。



「………掃除するなら、こういう本もしまいなよ」

「あー、それ小瀧が貸してくれた。今度一緒に見よ？」

「嫌だわ」

「おもちゃもついでに一緒に買いに行ってんけど」

「大丈夫それ？男同士でって思われてない？」



肝試しって名前だけど、ただ雑談しながら部屋を歩いてるだけ。電気つけずに。



「Aの部屋が一番わくわくする」

「あ、そう…」

「ほら、うわやば、ちょ、下半身触ってくれへん？」

「なんかムードないよね。要はお断り」



こんな状況、どう頑張ってもムードなんか作れないけどね。



「触ってくれへんと夜泣きする」

「最悪な脅し文句だね」

「泣いてええの？ベランダ出て泣くで？」

「最低最悪だね」



しゃあなし、膨らんだそこを触る。

すると大毅の手が私の手首を掴み、

なんの躊躇もなく自身のダボダボのスウェットの中へ。



「下着の上から直接！」

「あー、これは悪夢なんだわ」



夢なら早く覚めて欲しいって、こういう時に使うんだね。

当然その後は無理やりその流れになり、

無意味な前 戯は今後も続いてしまうのだと諦めた。



〆．

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