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抵抗 ページ34

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「…んんっ…、」








生暖かい唇の体温

鼻を掠める彼の匂い

後頭部に回る手







抵抗しようにも力の入らない身体は、彼のキスを止めることはなくて。

…ううん、もしかしたら止めたくないのかもしれない。








「…っはぁ、」








一瞬だけ離された唇に急いで酸素を取り込めば、すぐに再び塞がれる唇。

暖かい彼の舌先が唇を割って口内に進入すれば、くらくらと朦朧としてくる頭。

それはこのキスに興奮しているからなのか、はたまた熱のせいなのか…

理由がどちらかにせよ、わかることはただ一つ。

それは、彼のキスが嫌ではないということ。








くちゅ…








卑猥な水音と共に離れた唇。

交わる吐息と、一気に訪れる恥ずかしさに顔が上げられない。

私、今どんな顔してるんだろう……








「…抵抗しないんすね」








上から聞こえる玉森くんの声にも無視。

恥ずかしい…

恥ずかしすぎる……!///








「先輩、聞いてます?」


「…、///」


「先輩?」








何も答えない私を下から覗き込もうとする彼。

見られたくなくてそっぽを向けば、ふっ、って鼻で笑う声がして。








「…っ、」








突然顎に手が触れたかと思うと、無理矢理上を向かされ重なる視線。

逸らすことの出来ないその視線に更に顔が熱くなるのを感じる。








「…ふふ。先輩の顔、真っ赤ですよ?」


「…、//」


「もしかしたらまた熱が上がってきたのかもしれませんね」


「…っ、///」


「それともアレですか?俺のキスがよかったとか?」


「〜〜〜っ…!!!」







ーーードンッ







「ってぇ…」







恥ずかしさから湧き上がった怒りで、思わず彼を突き飛ばしてた私。

だってよく考えたら意味わかんない。

なんなの?

なんでキスしてんの!?

てゆーか私病人なんですけど。

風邪なうなんですけど。

病人襲うとか信じらんないっ……







隣の壁で頭を打ったらしい玉森くんが頭を摩りながらこちらに視線を向ける。




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好きですけど→←ふにふに



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すなぎも - めっちゃ面白いです!!続きがとても気になります!更新待ってます! (2018年7月25日 21時) (レス) id: ef1e270871 (このIDを非表示/違反報告)
はじめ - 続きがとても気になります!更新待ってます! (2018年4月4日 14時) (レス) id: e3f41243e4 (このIDを非表示/違反報告)
kumi(プロフ) - 初めから一気読みしました!めっちゃ面白いですね!!ブラック玉ちゃんカッコイイ!!続きが気になりますっ!!! (2016年7月12日 2時) (レス) id: 8cddf2f951 (このIDを非表示/違反報告)
たまま - このお話のたまちゃんすごい好きです! 続きが気になってしょうがないです! 更新楽しみにしてます! (2016年2月18日 19時) (レス) id: 18ff77bab6 (このIDを非表示/違反報告)
はるる - 頑張って下さい! (2016年2月7日 22時) (レス) id: fb87ff9d5e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:K | 作成日時:2015年3月10日 21時

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