第2話.セドナの魔法 ページ6
ーガチャ
「サリー、メグは、」
「仰せの通りにしましたよ。お頭の名前を出すと急に不機嫌になりましたけど。」
長いテーブルの先にルキウスが、大きな一人掛けソファに足と腕を組んで座っている。
サリーと呼ばれた赤毛の女は、ルキウスの反対側の椅子に腰かけた。
座ると、椅子はギシギシと音を立てた。
「その時の目の色は?」
ルキウスが少し睨むように言ったので、サリーはフッと鼻で笑った。
「綺麗な金色でしたよ。
それと、顔怖いですよお頭。」
サリーの言葉に、ルキウスはホッとしたような表情をした。
「俺の顔を怖いと思う奴はいくらでもいるが、それを俺の前で口にするのは相変わらずお前だけだな。」
ルキウスはそう言って一瞬だけ笑ったが、すぐに真剣な目つきでサリーを見た。
「で、お前はあれをどう見る。」
声のトーンを低くし、目を細めて言った。
ルキウスの表情に応えるようにして、サリーも足と腕を組み、目を細めた。
サリーが動くたびに、椅子がギシギシといった。
「そうですね…容姿と声、それから一つ一つの細かい仕草はメグ王女にそっくりだし、お頭の話からして、メグ王女ご本人というよりか、メグ王女の魂が入り込んだ全く別の魂と肉体、と言う方がしっくりくるでしょうか。」
サリーがそう言い終えると、ルキウスはん〜と唸った。
「わからん。
王女は二重人格だったのか?」
「いいえ。
ベクいわく、あの肉体の中から2つの魂の気配が感じられるそうです。
二重人格とは異なるなにか…、あ。」
サリーはぱっと顔を上げ、ルキウスを見た。
「気づいたか。
そうだな、あそこに行けば何かわかるかもしれない。」
そう言ったルキウスは、どこか楽しそうに不敵な笑みを浮かべていた。
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ばん© - ありがとうございます!更新遅くてすみません… (2017年3月6日 18時) (レス) id: 811eeda3cd (このIDを非表示/違反報告)
つー - すごく面白かったです!! (2017年3月5日 21時) (レス) id: 145d47b14f (このIDを非表示/違反報告)
とまと?(プロフ) - これからも応援してます! (2017年2月23日 21時) (レス) id: 815ca9583d (このIDを非表示/違反報告)
ばん© - みなぎさん» ありがとうございます!!!! (2017年2月23日 21時) (レス) id: 811eeda3cd (このIDを非表示/違反報告)
ばん© - 篠川梨麻さん» 読者さま第1号ですよ!すごくうれしいです、ありがとうございます! (2017年2月23日 21時) (レス) id: 811eeda3cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月嶋あぐり | 作成日時:2017年2月22日 17時