おいでエリンギ 3

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「てか最近西蔭君と会ってないのか？」


黙る私を見て、地雷か〜、とあっさり見破る。


電話もメールもしていない。ところで何故そんなことを聞くのか、と疑問。



「西蔭君から、アイツどうしてる？ って言われて」

「あ〜、エスカバ先輩は連絡とっていらっしゃるんですね」

「あからさまに拗ねるのやめろよ」



A面倒くさくなったな、と言われて口を尖らす。もともとこういう性格だ、と文句を言うと、違げーよと半笑いで否定される。



「悪い意味じゃなくて、良い意味で」

「良い意味で？」

「人間らしさが増したねって」

「良い意味ですか、それ？」



会いたいなら会いに行けば良いじゃん、と言われた。



「別に、会いたくないですし」



というのは嘘で、その行動が通用するのはただの友達の場合ですし。

それに、私は、西蔭さんとは仲良くないですし。


野坂さんと比べて。



「西蔭さんには〜、野坂さんがいるので良いんです〜。私の出る幕はないんです〜」



おどけてそう言った。

エスカバ先輩が、ため息をついた。



「Aが前さ、野坂さんの代わりは私には出来ませんって言っただろ？」

「出来ませんねぇ」

「それ、逆も同じだと思うぞ」

「……………………」

「AAの代わりは、野坂君にはできん」



ふざけて軽くあしらおうとしたのだけれど、うまくいかなかった。


私が、何より欲していた言葉だったから。


「それ、本気で言ってます？」

と、その言葉だけが口から漏れた。

声には思わず期待が滲んで、苦い気持ちになる。



「本気で言ってる」

「会いに行っても良いと思います？」

「会いに行くのが良いと思う」



そっか、と呟く。時計を見た。

昼休みが終わるまで、あと５０分。

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