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ふわっと身体が宙に浮いたのに気づいた次の瞬間、「ガシャーーン！」という音と共に、視界がひっくり返った。
スタッフ「ちょっ、大丈夫？」
周りにいたスタッフさん達が慌てて駆け寄って来てくれる。
どうやら私は転んでしまったみたいだ。
ズキズキ痛む右手首を無視して、「大丈夫です！」と、明るく振る舞う。でも、、
「…やっちまったなぁ(^^;」
箱に入っていたはずのお金は、目の前に豪快にぶちまけられていた。
「すみません…すぐに拾います！！」
勝手にそう宣言して、小銭を拾い始める。
心優しいスタッフさん達も、手伝ってくれた。
果てしない量の小銭を無事に元どおり箱に収め終わって、改めて周りのスタッフさんにお礼を言う。
みなさん、「いいえ〜」って、ニコニコしてくれた。
なんていい人たちなんだ←
よいしょっと、箱を持ち、立ち上がったその時。
「ほれ、忘れもんやで。」
そう言って私の肩をトントンと叩く声。
慌てて振り返ると、ぱっちりした二重が特徴的で、タンクトップからのムキムキの腕が逞しい男の人が立っていた。
そしてその人の手のひらには、500円玉。
「あっすみません！拾い忘れてましたね」
？「あ、いや、ちょっと待て。」
片手で箱を支え、もう片方の手で箱を開けようとした私を制して、その人は自分で箱を開けて、きちんと500円玉をしまった。
「ありがとうございました。」
？「いや、ええねん。お疲れさん。ところで…」
「はい、なんでしょう？」
？「…いや、やっぱなんでもないわ笑
てか、もしかしてバイトの子？」
「はい、イベントスタッフのバイトです。」
？「ほいだら、ここにいたらあかんなぁ笑」
「へ？」
あまりにも私がマヌケな返事をするからか、男の人は「ふはっ」と吹き出した。
？「ここ、関係者口やで。一般の人はバイトでも入ったらあかんとこ！」
「えっ！？」
慌てて辺りを見回すと、確かに裏口からだいぶ中まで入って来てしまっていた。
「すみません！私、お金拾うのに必死で…失礼しました！」
そう言って、また駆け出す。
？「もうこけんなよ！！笑」
私の後ろで、大声で叫んだ。
慌てて、もう一度振り返ってペコッとお辞儀する。
その人はニコニコ(にやにや？)しながら、私に手を振ってくれた。
その姿を見届けて、裏口へと引き返した。
その後、
「俺もまだまだ頑張らなあかんなぁ」
と、その人が呟いていたことなんて、私は知る由もない。。
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作者名：ななりぃ | 作成日時：2017年8月13日 15時
