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大倉side
記者会見で研修生の存在が明らかになって、その反響は想像以上やった。
…まあ、そのほぼ全てが批判の声みたいやけど。
Twitterでは誹謗中傷の投稿が後を絶たないし、事務所に直接電話で文句を言ってくる強者までいるらしい。
もちろん、そういうことをしているのはいわゆる”派遣先”となったグループのファンの子達で、Eighterも例外ではない。
信じたくない気持ちはわかるけど、ジャニーさんが言い始めたことやし、あの子を攻撃するのはちょっと違うと思うねんけどなぁ…
そんな俺のつぶやきが彼、彼女たちに届くはずもなく。
まあ、芸能界って理不尽な世界やもんなぁ。しゃーない。こんなの俺も慣れっこやし。
あの子がTwitterとか見てないことを祈るだけやな。
そして会見から今日で一週間。
俺は、都内のスタジオに来ている。
今日は三週間後に控えた全国ツアーのためのダンスレッスン。
でも今回はアルバム引っさげてのツアーやないから、新曲はないんやけどね。
夕方から始まって、気付いたら時計の針は夜9時を回っていた。
マ「大倉さん、明日は13時からですけど、今日はどうします？」
ダンスレッスンは9時までだから、この後は自主練。
でも、正直、これ以上続けられるほどの体力はない。
大「いや、もう帰るわ。」
マ「了解しました。」
帰り支度を済ませ、スタジオから出た。
長い廊下をマネージャーと歩く。平日で、夜遅いこともあり、電気がついているスタジオは、見渡す限りない。
でも、駐車場へと続くエレベーターのさらに奥、一つだけ離れたとこにあるスタジオだけが電気がついていた。
そしてそのスタジオの前には、どこかで見かけた…
大「…工藤さん」
気付いたら声に出ていた。
工藤さんと目が合う。慌てて頭を下げた。
工「大倉くんか。おつかれ。」
大「はい。おつかれさまです。」
遠くで話してるのも失礼なので、近づく。マネは気を使ってか、「車、用意しときます！」ってどっかいってもうた。
電気がついてるってことは、誰かがまだいるってことで。
工藤さんが見てるってことは、きっと中にいるのは…
大「…やっぱり。」
一週間前に見たばっかのの研修生やった。
ダンス用のゆるい服装で、汗だくになりながら、必死に動きの確認をしていた。
工「……Aを、今度のツアーに同行させる予定だ。」
大「え？」
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作者名：ななりぃ | 作成日時：2017年8月13日 15時
